DA PUMPのメンバー・KIMIが2023年4月15日、F.A.D.横浜にて「DA PUMP KIMI THANK YOU LIVE 2023~P.E.H.感謝祭~」を2部構成で開催。
本イベントはKIMIが自身で発案、プロデュースを手がけ、開催に至ったもの。2年近く前から考案していたという。
本記事では、同イベント夜公演の模様をレポートする。
開場後早々に会場は埋まり、KIMIを想う全員で開演までの時間を過ごしているように感じた。DA PUMPでのメンバーカラーである緑色の「概念コーデ」でKIMIを迎えるファン、過去のDA PUMPのライブグッズを身につけているファン、また、本公演のグッズであるシュシュを早くも腕やヘアにつけているファンもいる。DA PUMPとしても初となるメンバーソロの単独公演、ファンのモチベーションもいつもとは少し違ったのか、ワクワクが立ち込めているように感じた。
18時、開演時間を迎え、とびきりの笑顔で本日の主役・KIMIがステージに現れ、タップダンスをソロでパフォーマンスすると待ってましたといわんばかりの拍手の嵐が。それを受けたKIMIは満面の笑顔。目を輝かせ一曲目『P.E.H.』が始まった。
『P.E.H』これはKIMIにとってのポリシーともいえる言葉。「Positive(ポジティヴ)」「Enjoy(エンジョイ)」「Happy(ハッピー)」の頭文字をとったもので、本公演のタイトルにも冠している。まさにこの公演の1曲目に相応しいハッピーアンセムだ。サビの部分では左右に大きく腕を振りながらKIMIに煽られるがままのコール&レスポンスが響いた。
続いては、エイベックスのレーベルメイトであり先輩でもある氣志團『One Night Carnival』と矢島美容室『ニホンノミカタ ―ネバダカラキマシタ―』を披露。曲間では「今日来てくれたみんな俺の味方!」と話すもその後のMCで「先生(木梨憲武)はこのこと知らない(笑)」とまさかの告白。「楽しいよー!」という声に顔が綻ぶKIMI、この時間は「ハッピーをみんなでシェアしていきたい」と話すと拍手に包まれた。
4曲目は『マイメン』を披露。「15年DA PUMPとしていられるのはみんなのおかげ、ファンの皆さん、友達、先輩、他にもたくさんの人がいる、そのことを歌った曲」とし、ハートフルに語りかけるような歌声に、ファンは思わず胸元に手を当てていた。
誰もが知るクラシックの名曲をサンプリングした優しいビートが流れ、タップダンサー・tonによるソロパフォーマンスがスタート。タップシューズに履き替えたKIMIが登場するとtonと共に観客の手拍子やポップなビートにあわせて2人でタップダンスを披露。一糸乱れぬパフォーマンスにタップシューズの音が響き、最後の音でパキッと締まるとショーパブのようなハイテンションな大歓声と拍手が沸き起こった。
KIMIはこのイベントを「今日のコンセプトはやりたいことを好き勝手やる」会とすると、タップダンスパフォーマンスについて「2年くらいずっとレッスンしてようやく皆さんの前でパフォーマンスできた」と、先生であるtonと二人三脚で錬成したパフォーマンスを振り返った。
先日情報解禁された6月7日に発売されるDA PUMPのニューシングル『サンライズ・ムーン〜宇宙へ行こう〜』にも触れ、「6月からはグループもTNY(てんやわんや)だと思うので楽しみにしていてください。」と話すと、DJを努めたN.O.B.B(餓鬼レンジャー)は「1部2部とあって、今2部、ある意味ライブが終わっちゃう、楽しい反面少し寂しい気持ち。引き続きこれからもたくさん曲を書くので、続けましょう。」とKIMIを鼓舞、それを受け「今日来てくれたみんな、来れなかったみんなも合わせて、DA PUMPでも盛り上がっていきたい。」とした。
イベントも折り返し地点。「まだまだいくぞ!」と煽るとどこかで聴いたことのある節が鳴る。舞台袖からDA PUMP・ISSAが登場すると悲鳴にも近い歓声が。
2021年に発売された、DA PUMPの往年の名曲たちをミックスした『m.c.A・T DA PUMP MIX(DJ MIHO MIX)』を披露。昨年のアリーナツアーでも披露した『Oh! My Precious』では昨年できなかったコール&レスポンスが実現。パフォーマンスしながら、自身もDA PUMPのファンというKIMIは途中「やべーなこれ!」と無邪気にはしゃぐシーンも。
約15分ノンストップで続いたこのパフォーマンスを見事に乗り切ったISSAに「完全に持ってったな」と声をかけると、KIMIは「でもそれを込みで考えたんでしょ?」とクイックに返されていた。この公演で観客の歓声を久しぶりに目の当たりにし、「みんなの歓声に圧倒された」と話すと、KIMIは「いつか6人でやりたい」、ISSAは「めちゃくちゃ頑張ってるめちゃくちゃいい奴なんだ、あと4人くらいいるけど」と続ける。まさにKIMIのソロイベントを通して、さらにDA PUMPのことが大好きになる瞬間だった。
ISSAがステージをあとにすると、昨年までインターネットテレビにてオンエアされていた冠番組「OH!舞DA PUMP!!」について少し触れ、「時に苦しい時があったけどみんなで乗り越えた」と話す同番組の最終回で作った曲『足跡』をパフォーマンス、「出会ってくれてありがとう」と続けた。
このイベントのことを「2年くらい考えていたイベント。お待たせしました!」と話し、「DA PUMPは自分の中で“みんなと1曲1曲を作っていく”グループなので、自分もこれからもみんなとそういうのを作っていきたい」とした中で、4月12日にリリースした楽曲『茶沢通りのララバイ』に関してトーク。KIMIの中で「茶沢通り(東京・世田谷区)」は若い頃いろいろな感情を持ちながら歩いた場所だというが「それらも全てポジティブに変えて皆さんにありがとうを伝えたくて曲にしました」と話す。「好きな通りはありますか?」と声をかけるなどして来場したファンとのコミュニケーションをはかると、「好きな通り思い出のある通りを思い浮かべながらぜひこの曲を聴いてララバイしてください」とし、『茶沢通りのララバイ』を披露した。
「本当に最後の曲なんです。」としたのは最初に披露した『P.E.H』。曲中の掛け声を「ポジティヴの暗示」だと言いながら改めてレクチャー、曲フリをすると、ISSAが「Happy Birthday KIMIちゃ〜ん」ケーキ持ってtonと共に再登場。前日40歳を迎えたKIMIは「やったなあ」と腰を抜かし、ISSAの煽りで全員でバースデーソングを歌い会場を和ませた。
ISSA、tonがステージ広報で見守りながら、気を取り直して『P.E.H』に行こうとするも、一連のサポライズに思わずKIMI「忘れてない?」と再度振り付けをレクチャーして楽曲を続けた。
最後はそのまま記念撮影。掛け声は「Positive! Enjoy! Happy!」!
撮影を含めた全てのプログラムを終えるとKIMIは「今日1日みなさんと楽しませていただきました、また会いましょう!」とのこし、ステージをあとにした。
アフターコロナの一環としてマスク着用の上での声出しが解禁となった本公演、拍手に負けじと飛び交うのはファンからの「KIMIくーん!」「おめでとう!」「ありがとう!」だった。声の出せない状況下で昨年開催されたDA PUMPのアリーナツアーなど。ファンたちがここ数年伝えられなかった「声」はKIMIをあたたかく包んだことだろう。
終始会場が歓声と笑顔に包まれていた1時間、『P.E.H』のギヴ&テイクが行き来し続けられていた。さらにそれらは大きくなって今後のDA PUMP、そしてKIMIの活躍に生かされていくだろう。