5月21日(日)、東京・新木場で行われた「METROCK2023」(TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2023)に、今年20周年という節目を迎えるNEWSが出演。野外フェスは初参戦となるが、「WINDMILL FIELD」ステージで40分の熱いステージを繰り広げた。
NEWS(C)METROCK2023 / Photo by 岸田哲平 画像 2/3
気持ちのよい青空と、日中の暑さがおさまり少し涼しい風が吹き始めた16時50分、ステージに鮮やかな蛍光オレンジのつなぎを着た小山慶一郎、増田貴久、加藤シゲアキが登場。「楽しむ準備はできてるか?」の問いかけに客席からは歓声があがり、『weeeek』がスタート。おなじみのフレーズをジャンプしながら歌うメンバーに合わせ、客席も両手をあげてジャンプ。そこに水が高々と噴射されると、さらに歓声が重なる。後方まで埋め尽くされた広い観客席を見渡し、さらに声を張り上げ高く跳ねて歌う3人。するとサビごとに上がる手の数が増え、様々なアーティストのTシャツやタオルを持っている観客もジャンプし、歓声に野太い声も増え、どんどん会場の一体感が増してくるのがわかった。手ごたえを感じられたのか、曲終わりで力強くハイタッチをする3人。続く『チャンカパーナ』では、スタンドマイクを使いつつ大きな動きでダンスを披露。サビの親指と小指を使った特徴的なダンスを見てマネをしながら踊る観客も多く、なんだかかわいらしい光景が広がった。
「初めましてのみなさん、NEWS です!東京スカパラダイスオーケストラのファンのみなさん、NEWSです!Vaundy のファンのみなさん、NEWSです!」と、続くアーティストの名前を挙げての小山の挨拶に歓声があがる。「我々、フェス初参戦で若手のように思われますが今年20周年です!アラフォー、頑張ってます!」(小山)、「まだまだ若手には負けられない!本来なら勢いづいたまま3曲目に行きたいところだけど、体力的な問題でトークが長くなってます・・・」(増田)、「やったことない屋外フェスに呼んでもらえる、俺たちはそういう未来のために頑張ってきた。俺たち『未来へ』まだまだ続いていきます」(加藤)と、次に披露する『未来へ』へと繋いでいく。
ピアノの旋律で増田が歌いしっぽりと始まるこの曲、徐々に盛り上がり、サビ前の加藤の「叫べ!」でテンションアップ。客席へ向かって大きく両手を広げ、歓声と風を体で受け止めるようにして歌う3人。「Say Ho」からは3人の声に曲を知っているファンの歌声も重なっていた。そんな中、『Tick-Tock』の特徴的なイントロが流れると、ムードが一転。増田のがなり声での激しい歌い出しに、
「ウォーー!」と歓声があがって男性の声がより一層大きくなる。ここから『JUMP AROUND』『夜よ踊れ』とそれぞれ毛色の違うゴリゴリなロックサウンドでまくしたてていく。ステージで左右に動き回り、激しく、時に艶やかに、身を乗り出すようにして歌い、ジャンプし、回り、客席をあおるように手を大きく動かして歌う3人に観客の頭も体もどんどん大きく動いていく。
ここで『「生きろ」』のイントロが流れると、再び大きな歓声があがった。NEWS を象徴する1曲ともいえるメッセージ性の強いパワフルな魂の応援ソングだ。くじけそうになっても、負けそうになっても、それでも「生きろ」と訴える歌詞を、両手でマイクをギューっとにぎりしめる増田、眉間に力をこめる小山、血管を浮き立たせる加藤が歌う姿は、圧倒的な説得力を放つ。客席も力強く拳をあげて盛り上がりつつも深く聴き入ってしまっているようでもあった。
NEWS(C)METROCK2023 / Photo by 岸田哲平 画像 3/3
その余韻の中で、小山の「NEWS意外といいでしょ」と問いかけで再びトークへ。「いろんなフェスに行きまくっている加藤に厳しく言われております。『フェスは時間を守れ』と」と笑いを誘いながら、残り1曲であることを告げる。「もうちょっと見たいという人は、ぜひライブに来てください」と今後の活動を予感させて紡ぐ最後の曲は、アルバム収録曲でありながら、ファンや聴いてくれた人に支えられ大きく成長し代表曲の1つといっても過言ではない『U R not alone』。「GReeeeNさんが作ってくれた、あなたは一人じゃないよ。過去頑張ってきた自分が、今の自分を見てくれているから。過去の自分は自分を裏切らない、そんなメッセージが込められた歌です。僕はライブで歌うと毎回泣きますが、今日は泣かないで歌います」と増田により曲の解説と、「曲を知らない人でも歌える『ウォー』という歌詞がありますので、なんとなく歌っていただけると1つになれるかなと」「グルーヴでやっちゃってください」という小山と加藤のあおりがあり、いよいよラストソング。
冒頭の「ウォーウォウォー」はもちろん客席の奥の方からもしっかり声が聞こえるほどの大合唱に。温かくて力強いエナジーソングに、加藤と増田、小山と増田が肩を組み歌う姿も。サビになるとあえてマイクを外し、客席からの歌声を聴きながら自分も負けないほどの大声を出して歌う3人。おそらく初めて聞いたであろう観客たちもスクリーンに出る歌詞を見ながら一緒に歌う姿も多く見られ、青空の下にこれまでのコンサート会場での大合唱とはまた違った『U R not alone』の歌声と手拍子が響いた。
曲が終わると「ありがとうございましたー!!」と両手を大きく大きく振りながら、深く一礼してステージを去る3人。大歓声と拍手に包まれて、NEWS20周年の幕開けを祝うかのような初野外フェスは大成功で幕を下ろした。