ロッキング・オンが手掛けるロックアニメプロジェクト「ラプソディ」。
2021年12月に始動して以来、楽曲やボイスドラマ、キャストが出演するショーケースライブなどを通して、Pink Flag、春の十字架、ブルーバード、システム・オブ・ロマンスという4バンドの物語を紡いできた。そして2023年7月2日、その到達点とも言えるまったく新しい「ライブアニメ」が、ついに池袋・harevutaiで幕を開けた。
(以下ネタバレを含みます。)
「ラプソディ」公演の様子(※提供写真) 画像 2/11 「ラプソディ」公演の様子(※提供写真) 画像 3/11 「ラプソディ」公演の様子(※提供写真) 画像 4/11
まずは、キャラクターによるライブアニメ『ラプソディ』の楽しみ方のレクチャーからスタート。アニメのストーリーシーンは映画のように鑑賞し、アニメの演奏シーンでは着席のうえで拍手や歓声で盛り上がってOK。さらに、声優によるリアルライブパートでは、通常のライブのようにスタンディングで自由に楽しむことができるとのことだ。
暗転後、物語の軸となるレーベル「ラプソディ」の成り立ちが語られ、Pink Flagの望野 一真役・末次純、春の十字架の酒々井 虹郎役・菅原達也、ブルーバードの九重 落暉役・谷江玲音、システム・オブ・ロマンスの我孫子 金慈役・山本友理が姿を現した。4人は「Sing 4 Rhapsody」として発表したレーベルテーマソング『I Believe』を生歌唱。宣誓のような力強いハーモニーが会場を包み込んだあと、シームレスにアニメ本編へと繋がっていく。
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アニメーションで描かれるのは、4つのバンドそれぞれのライブと、そのライブにまつわるドラマだ。トップを飾るギターロックバンド・Pink Fragは、メンバーの過去を知るライバルとの対バンイベントに出演し、揺るぎない「今」の結束と実力を見せつける。フォークユニット・ブルーバードは、SNSでのバズと生まれ育った下町の力を掛け合わせ、奇跡を巻き起こす。高校生ラウドロック・春の十字架は、タイムカプセルを巡る、幼馴染み同士ならではの青いエネルギーに満ちたライブを展開。そして、兄弟EDMデュオのシステム・オブ・ロマンスは、トラウマに苦しむ兄の手を弟が引き、固い絆でエモーショナルな世界を作り上げる。
何より特筆すべきは、ストーリーに沿って繰り広げられる「アニメのライブシーン」と、「リアルライブ」だ。アニメのライブシーンは、3DCGを駆使したハイクオリティな映像を各バンド2曲ずつたっぷりと堪能できる。作り込まれた演奏シーンと躍動感溢れるカメラワークに加え、会場の照明と大迫力の音響が映像とシンクロ。オーディエンスはライブさながらに盛り上がることもでき、次元を超えた没入感はまさに新感覚と言える。
そして、アニメのライブシーンのあとに続くのがリアルライブ。各バンドのヴォーカルキャストが登場し、リリックビデオを背景にさらに1曲を生歌で披露する。アニメによるドラマとライブの興奮を経て、目の前でキャラクターとキャストが共鳴するパフォーマンスは圧巻だ。
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ラストは、再び「Sing 4 Rhapsody」の4人がステージに並び、「I Believe」を歌いあげてエンディングへ。4つの物語がひとつに繋がり、改めて熱いメッセージを届けて幕を下ろした。
さらに、本編終了後のお楽しみとして、「Sing 4 Rhapsody」によるアコースティックライブも用意されている。公演ごとに変わるという演奏曲に注目だ。
ライブアニメ『ラプソディ』は、これから毎週日曜日に開催され、12月まで続いていく。音楽ネタが随所に盛り込まれ、観るたびに新しい発見がありそうなアニメパートはもちろん、リアルライブは回を重ねるごとに日々進化し、毎回違うステージになることは間違いない。ロックとアニメが異次元で交叉し、変わり続けるエンターテインメント「ラプソディ」に今後も注目が集まりそうだ。