2023.08.12 公開
関ジャニ∞が「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023」に出演!1年越しのロッキンの舞台で魅せる

関ジャニ∞(※提供写真)  画像 1/1

8月12日、関ジャニ∞が千葉・蘇我スポーツ公園にて開催中の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023」に出演。1年越しにロッキンのステージに立った。

ちょうど、1年前の2022年8月12日――。
関ジャニ∞は『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』に向け、都内スタジオで最後のリハーサルを行っていた。そんな5人の元へ届いたのは、台風の影響で翌8月13日の公演が中止になったとの知らせ。悔しさをグッと胸の奥に押し込め、まさに彼らの想いを代弁するような楽曲『ふりむくわけにはいかないぜ』を、急遽インスタライブで届けた。

そのライブ内で、大倉忠義が「ポジティブに。未来にちゃんとつなげられるように」と語った通り、2023年の8月12日、1年越しのロッキンという未来に思いをつなげた。また、来年2024年に20周年を控える彼らは、今年『KANJANI∞ FESTIVAL SESSIONS 2023』と銘打ち、8月から9月にかけて3つの野外ステージに立つことが決まっている。『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023』はその第一弾として、火蓋を切る大事な場でもあるのだ。

会場を訪れるロックファンの中には、テレビなどを通じて、関ジャニ∞がバンドとしても活動していることを知っている人も少なくないだろう。
デビュー前から楽器を持ち始めた関ジャニ∞にとって、バンドで表現することは自然な流れだった。その熱はデビュー19年目を迎えた今も冷めることなく、実直に、貪欲に音楽と向き合い続けている。
そんな彼らのアクトが、耳の肥えたロックファンの心をどう揺さぶるのか。

アイドルのエンターテインメントとして、ダンス曲を取り入れる選択肢もあったが、5人はあえてその武器を封印した。その上でオーディエンスとのコミュニケーションや、心の動きを明確にイメージしながら、自分たちの声と楽器だけで勝負するセットリストを作り上げた。丸山隆平曰く、「丸裸で勝負しようと思っている」と。そのハードルの高さを楽しみに変え、関ジャニ∞はステージへと向かった。


公演スタートは、17時55分。GRASS STAGE前にはエリアを仕切るフェンスの向こうまで人があふれ、熱気に満ちていた。オーディエンスの期待値が高まる中、メンバー5人が登場すると、大きな歓声と拍手が沸き起こる。メンバーは遥か向こうまで続く人波を眺め、「すげ~」と子どものような笑顔を見せた。横山裕の「ロッキン、会いたかったぞ~。この暑さ、吹き飛ばそうぜ!」という呼びかけと共に、疾走感あふれるバンドアレンジの『ズッコケ男道』で関ジャニ∞の夏が始まった。

大倉のドラムと丸山のベースが、アップテンポなリズムを心地よく刻む中、安田章大がソロギターを力強く掻き鳴らし、横山がバッキングギターを重ねて厚みを出す。そして、鍵盤を弾きながら片手を空に掲げ、会場を盛り上げる村上信五。オープニングからギアを一気に上げると、4つ打ちのバスドラに合わせ、『無責任ヒーロー』のコールが始まった。「FIGHT!」「KANJANI!」「∞」「EIGHT!」と会場が一体となって声をあげ、クラップを鳴らす。初めて関ジャニ∞のライブを見る人々も、見よう見まねで一緒に手の振りを楽しむ。もはや、ここがアウェイであることを忘れるほどの光景だった。

2曲の代表曲に続いて披露された『未完成』は、丸山のロックなボーカルから始まる彼らの最新バンドナンバー。8ビートの骨太なサウンドに、観客もタテノリで体を揺らす。会場の熱さに呼応するように、5人の歌声も一層力強くなっていった。

畳みかけるようにシングルを並べたオープニングで、ロックファンたちは関ジャニ∞の世界に巻き込まれたようだ。『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)などで彼らを知る人は、恐らく身近に感じている部分もあるだろう。その親近感とアイドルが奏でる音への好奇心は、あっという間に関ジャニ∞への愛あふれる視線に変わった。


そして、安田の曲紹介で、1年前のインスタライブで演奏した『ふりむくわけにはいかないぜ』を披露。この場で演奏することで、本当の意味でのリベンジが果たされたのではないだろうか。かつ、この曲の提供者(作詞・作曲/山口隆)である、サンボマスターと同じ日に、同じGRASS STAGEに立つことに、偶然を超えたストーリーを感じずにはいられない。そんなサンボ節と関ジャニ∞の化学反応は、さらにオーディエンスを勢いづけた。

『象』のイントロでは会場の熱気を体中で受け止め、歌うようにギターを奏でる安田。さまざまなバンドマンとも交流がある彼だが、その全員と言っていいほど「安田くんは、本当にギターが大好きな人」と表現する。心底ギターを、バンドサウンドを愛する心が滲み出た音色こそ、安田のギタリストとしての魅力でもある。また、高橋優からの提供曲を演奏する関ジャニ∞からは、刺すような激しさと真っ直ぐな温かさが放たれていた。

そして、静まった会場に色っぽくグルーヴする丸山のベースの音が響く。そして、一瞬間をおくとスイッチを切り替え、スラップベースの軽快な音を慣らした。丸山の華のあるベースは披露するたび、リスナーに驚きを与え続けている。そこに、絶妙なタイミングで重なる村上のオルガンの音色と、横山の弾けるようなトランペットに、炎の特効。『NOROSHI』の重くエネルギーのこもったサウンドが、オーディエンスの体の奥まで響いた。


激しいビートを刻む2曲を、がっしりと支えていたのが大倉のドラムだ。さまざまなバンドマンからも評価される彼の音は、天性のリズム感だけでなく、タイトさや力強さも兼ね備えている。あれだけのドラムを叩きながら、さらりとボーカルもこなしてしまうところに、そのポテンシャルの高さを伺い知ることができるのではないだろうか。

ここで、5人が楽器を置いてステージの前へ。安田の「(距離は)離れてるかもしれんけど、心に届けるからね!」という言葉で始まったのは『オモイダマ』だ。情熱の中に温かさを携えた歌声が、千葉市蘇我スポーツ公園を突き抜けていった。その楽曲終わり、村上が「来年20周年を迎えさせていただくのですが」と話し始めると、会場から祝福の拍手が贈られる。村上はさらに「初めての経験がだんだんなくなってくるんですよ。その中で、19年目にして初体験(したロッキンのステージ)にお付き合いいただいて、ありがとうございます!」と客席に感謝を伝えた。

いよいよ、アクトは後半戦。どこか青春の甘酸っぱさを感じるメロディと歌詞が、耳に残る『喝采』が流れると、少しずつ暮れ始めた空が演出のひとつとなり、よりエモーショナルな空間を作り出す。そして、10代を思い出させるストレートなバンドサウンドが清々しい『BOY’23』は、村上の繊細なピアノから始まった。鍵盤を弾く人の多くは幼いころから触れていることが、ある種デフォルトだが、彼は大人になって、しかも忙しい仕事の合間を縫って、自分の体にピアノを浸透させてきた。長年かけて真摯に向き合い、気づけば村上にしかない音を表現できる楽器になっていたのだ。

また、後半の始まり2曲に横山のギターがハマるのは、彼の中にパンクなスピリットが存在するからだろう。横山もまた、デビュー後にパーカッションを担当することになった。そこから、もっとグループの音楽の力になりたいと30歳を超えてトランペットを手にし、現体制になったのを機に「パワーダウンしたと言わせたくない」と初めてのギターに挑戦した。「人のために弾きたい」「ギターが弾けたらカッコいい」という精神性は、楽器を持つ人の根源的なもの、ギターで魅了する人の根底にあるものを思い起こさせる。関ジャニ∞の音楽を近くで見守るスタッフの「生まれたての赤ちゃんのように、音楽を楽しんでいる。20周年を前にして、初期衝動を感じられるのが、今の横山のギターの魅力だ」との言葉がしっくりくる。

初期衝動は、バンド・関ジャニ∞が多くの人を魅了する理由とも言える。たしかに場数を踏み、多くの経験を積んできたが、約20年経った今も「まだまだ」「ここからだ」というスピリット、泥臭さを持ち続けているのだ。そこに漂うなんとも言えない青春感こそ、関ジャニ∞らしい音楽を作り出している。

ライブはクライマックスへと突入すると、打首獄門同好会の大澤敦史が初めて楽曲提供を行った『ハライッパイ』を初披露。コロコロと曲調が展開する中に、コミカルな歌詞がのっかり、ときにクールなロックサウンドを奏でるこの曲は、関ジャニ∞の振り幅を存分に生かした1曲。大いに沸くオーディエンスの中には、同日、ロッキンに出演していた打首獄門同好会のメンバーの姿もあった。

会場のボルテージが最高潮に達する中、次はOKAMOTO’Sが手掛けた『勝手に仕上がれ』でさらに盛り上げる。関ジャニ∞のアジテーターとして、観客を煽る村上に誘われ、会場中が「K!A!N!J!A!N!I!E!I!G!H!T!」、「ニーニニニーニニニニニニニー」と大合唱。会場はすさまじい一体感を見せた。

畳みかけるように、関ジャニ∞にとって初のバンド曲シングルである、『LIFE~目の前の向こうへ~』が始まる。キャッチーなメロディと疾走感が相まって、ど真ん中に入ってくるストレートなロックナンバーだ。5人が5人楽器を弾きながら、ボーカルがクルクルと変わっていくのも関ジャニ∞らしいスタイルと言えるだろう。原点にして彼らの究極といってもいい。

5人がラストソングに選んだのは、ゆずからの提供曲『T.W.L』。再び楽器を手放し、ステージのいっぱいに広がって、観客との距離をグッと縮める。楽曲タイトルでもあるタオルを、会場中がクルクルと回す景色は圧巻だった。関ジャニ∞らしく底抜けに明るく、パワフルに締めくくったステージを終えたとき、音楽ファンたちはすっかり彼らの味方になっていた。そして、最後は関ジャニ∞のライブでもおなじみの光景で締める。あらゆる人、場所に感謝の拍手を送り、「最高で最強の」という横山の声に続いて会場全員で「関ジャニ∞!」と叫ぶ。こうしてすべてを出し尽くした5人は、最高の笑顔でステージを後にした。

振り返ると、彼らがこの日のために準備したセットリスト中、約半数以上がミュージシャンから提供を受けた楽曲だった。それは関ジャニ∞がリスペクトを持ってバンドマンたちと接し、相手からも愛されている証と言えるのではないだろうか。現に『KANJANI∞ FESTIVAL SESSIONS 2023』の第2弾は、WANIMAからの誘いで彼らが主催する『1CHANCE FESTIVAL 2023』に出演する予定だ。5人はこのロッキンでの勢いを抱えて、いざ熊本へと旅立つ!

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