作曲家・菊池一仁による楽曲プロデュースによる新世代女性ボーカルグループ「et-アンド-」が11月3日(金)に「ディソナンス」を配信リリースした。新曲への思いを語るとともに、現代に生きる若者の気持ちをエモーショナルなサウンドにのせて歌い上げるet-アンド-の魅力を語ってくれた。
Q:et-アンド-の魅力について教えてください
野島樺乃:全員ボーカルなんですけど、他のグループさんやアーティストさんで例えるのが難しくて。ダンスも踊りますし、全員歌えることを強みにしてます。各々の声を活かした楽曲が多いかなと思います。
Q:ボーカルのアレンジなどはアレンジャーの方と話し合いながら?
野島樺乃:そうですね。レコーディングの現場では、私たちの楽曲をプロデュースしてくださっている菊池一仁さんとディレクションしてくださる方と一緒に、自分たちが一回歌った後「ここはもうちょっとこういう歌い方にしようか」と試行錯誤しながら曲ができあがっていく感じです。
Q:例えばベースの歌に対して合わせてコーラスを歌うのでしょうか。それとも全員一緒に歌う感じですか?
野島樺乃:一人一人ソロで各々のパートを録ります。メンバー全員がユニゾンで歌うサビも一人一人録っていますね。ライブではみんなでまとまってパフォーマンスをしますけど、レコーディングはラップがいたり、ウィスパーボイスがいたりと歌い方も全員違うので。指示される歌い方もアドバイスも全員違います。
Q:一人ずつ歌って、実際に完成した時に全員の音が合わさると?
栗本優音:一人一人録った音がどうやって楽曲に組み合わさっていくんだろうという、その完成形は毎回すごく楽しみにしています。
Q:それを毎回ライブでも再現してるんですか?
野島樺乃:そうですね。ボーカルグループというと、メインボーカルがいて、その子の声質に合わせてとか、似たような声質を集めてるグループが多いのかなと思うんですけど、私たちは違う声を持つ4人が集まって、その特徴を活かして歌っているので。最近リリースしている楽曲はサビをユニゾンで歌うことも多いんですけど、今までリリースしてきた楽曲を振り返ると、サビを一人で歌うとか、パートもその曲によって全然違います。ジャンルは何ですか?と聞かれても、こういうジャンルですと答えられないのが逆に強みだと思います。
Q:R&Bというわけでもないですよね?
野島樺乃:R&B調の曲やレゲトンっぽい曲などをリリースしたことは今までありますが、リリースする楽曲の雰囲気が毎回違うので。今回の「ディソナンス」は無機質でボカロっぽい曲調になっていると思います。
Q:ダンスもされますよね?
野島樺乃:曲によりますが、ダンスもしっかりフォーメーションと振付をつけてパフォーマンスしています。
Q:新曲「ディソナンス」はイントロから明るめの音が印象的ですが、どのような曲調の楽曲となるのでしょうか。
モラレスきあら:曲の始まりがサビから入るので明るめの曲調ではあるんですけど、歌詞そのものの世界観は違っていて。この歌詞の意味をよく考えてもらうと「闇」が見えている曲だなと私はすごく思っていて。ダークまではいかないけど、明るいか暗いかでいうと暗めな楽曲になっているんじゃないかなと私の中では解釈しています。
Q:暗い歌詞に明るい曲というのは音楽としてよくある話ですが、そういうことは意識されましたか? 「暗い歌詞を明るい曲で歌う」そのギャップがいいのかなと感じました。
モラレスきあら:この曲のサビを歌う時「感情をあまり入れずに歌ってほしい」とディレクションしていただいているので。明るい歌を歌うときみたいに歌ったわけでもなく、暗い歌を歌うように歌ったわけでもなく、何も感情を入れず、言葉を音に乗せたというイメージですね。
Q:デジタルネイティブ世代の心に寄り添う楽曲が印象的ですが、心地よいビート感はet-アンド-ならではのテーマですか?
野島樺乃:きあらが言ってくれたように無機質に歌ったり、ダークとは一概に言えないところはあります。この「ディソナンス」は不協和音という意味があるので。暗いストレートな歌詞をダークな曲調に乗せてしまうと重ためな曲になってしまうので、あえて聴いていてビートが心地よい楽曲にするとか、イントロを明るくするというのがいいのかなと。自分たちが今まで聴いていた曲、自分たちが今までリリースしてきた曲の中でも、そういうところはet-アンド-の良さという感じかと思います。今回のディソナンスもどちらかといえば明るいというより暗めですけど、決してこの曲を聴いたからといってすごく気持ちがズーンとなるような曲じゃなくて。歌詞は核心をつくようなことを言ってますけど、心地よく聴けるというのが自分たちの良さなので、この曲も本当にet-アンド-を存分に活かした曲になっているかなと思います。
Q:「君は私は君じゃない私じゃないから出逢えた」という最初のフレーズがこの曲を象徴するひとつのキーワードだと思うのですが、このフレーズを歌ってみてどうでしたか?
野島樺乃:もともとデモ音源の仮歌の状態の時からこのフレーズは決まっていて。私もディソナンスは、ここがキーポイントになるんだろうと解釈していました。どう歌うかレコーディングでも悩みましたけど、無機質に感情を込めずに歌ってと言われたので、声のトーンとか抑揚をつけずに歌ってます。このフレーズ……歌詞だけ見ると哲学的というか、考えれば考えるほど「何を言ってるんだ?」という考えに陥っちゃう部分もあって。人それぞれ捉え方があるけど、今の時代、誰かになりたいとかこの人のようになるために自分もその人の真似をするとか……今の若い子たちはしがちかなと思うんですけど、でもそれをなくしてしまったら個性がなくなるというか。自分自身が持ってるもの、コンプレックスさえも自分の個性として生かして変えていく、それが自分自身なんだよというメッセージがすごく込められているんじゃないかなって私は解釈しています。そういう風に解釈してくれる子が他にもいたら、この曲を聴いてちょっと自分に自信がつくと思うし、自分は自分のままでいいんだ!と思ってくれるんじゃないかなと感じました。
Q:今回のテーマは不協和音という言葉がキーワードとなっていますが、不協和音にはプラスの面もマイナスの面もあると思います。皆さんが考える不協和音とはどういうイメージですか?
栗本優音:音だったら、みんなイヤだと言いますけど爪で黒板をガーっと引っかく音。気持ちや感情だったら、私は不安定……情緒不安定な感じ。自分にとってこれが正義だと思っているものが、相手にとって全然違う正義だった時、すれ違うじゃないですか。そういうのってやっぱりバラバラだから不安定。それが不協和音とつながっているんじゃないかなって私は思います。
山崎カノン:人間関係がうまくいかないとか、すれ違いがある時に不協和音を感じます。あまり上手くはまらない関係性というのは最初に思い浮かびました。
Q:不協和音をテーマにした曲は初めてですか?
野島樺乃:初ですね。去年の秋にリリースした「宵宵」という楽曲があるんですけど、初の恋愛ソングで、しかも心に闇を抱えている失恋ソングだったんです。最近、どのアーティストさんもそうですけど、誰もが思い切って言えないような悩みの部分をテーマにして曲作りされている方が多いなと思っていて、そこに共感する人たちがたくさんいるんだなって。私たちも病み曲みたいな失恋ソングをリリースしましたけど、一年越しでディソナンスという不協和音を意味する曲をリリースするってことは、そこに共感して、また聴きたいと求めてくれる人たちがいるんだということに自分たちも気づくし、自分たちも歌詞をもらって共感する部分もたくさんあるので、寄り添ってくれる曲がたくさん増えて嬉しいなって。こういう曲が歌えてよかったなって思います。
Q:では、ここからはテーマを変えて。いよいよ食欲の秋に突入ですが、それぞれの地元(出身県)でオススメのグルメはありますか?
山崎カノン:私は北海道・札幌出身なんですけど、気温が下がってきて寒くなってきてるので。冷えた体には温かいスープをということで「ラーメン」をおすすめしたいなと思いますね。有名なところでいうと「すみれ」とか「彩未-SAIMI-」とか。凱旋ライブツアーで札幌へ行ったのですが、みんな私がおすすめした味噌ラーメンの「信玄」を食べてくれて。1時間半ぐらい並びました。
栗本優音:私は東京出身なんですけど、甘いものしか出てこなくて……アイスなのですが、渋谷の宮下パークにある「KITH TREATS」のアイス。高校生の時に初めて食べたのですが、いっぱい種類があって。写真映えするというか……見た目がすごく可愛いくて量もボリューミー、味もすごく美味しい。お店の外観もシンプルですごく可愛いです。女の子にすごくおすすめなので最後の締めに行ってみてください(笑)
野島樺乃:私は愛知県出身なんですけど、愛知県といえば味噌カツとか味噌煮込みうどんとか有名なところはきっと皆さん知っているかなと思うので……。私のおすすめは豊田市にあります「香嵐渓」という紅葉が名所の場所があるんです。紅葉の時期になるのでぜひ行ってほしいのですが、香嵐渓の食べ歩きスポットで「お芋チップス」がすっごく美味しくて。手のひらの2倍くらい……両手を縦に合わせた時ぐらいの大きさに薄くスライスしたさつまいもで。すごく塩味が効いているんです。それを食べながら紅葉というのがめちゃくちゃいいので。ぜひ愛知県に足を踏み入れた際には、香嵐渓まで行ってお芋チップスを食べていただけたらなと思います。名古屋駅からだと少し遠くて1時間ちょっとかかってしまうかもですけど、めちゃくちゃキレイなので!夜はライトアップもしてるので、ぜひ見てほしいですね。
モラレスきあら:私は香川県出身なんですけど、香川といえばうどん。かまバターとかかま玉、ぶっかけ、かけ……うどんにもいろいろな種類がありますが、香川の郷土料理のうどんといえば「しっぽくうどん」というたくさん具材が入ってるうどんがあります。豚汁みたいに具がいっぱい入って本当にすごく美味しいの。冬のうどんといえば、しっぽくうどんというくらい。冬、香川に行ったら食べた方がいいです。ぜひ!温まります。
Q:et-アンド-として2023年の活動を振り返ってみていかがでしたか?
野島樺乃:夏に「glow tour 2023」で、先ほど話していた凱旋ツアーとして北海道と香川を回るライブツアーをしたのですが、この1年はとにかくglow tourでの思い出が一番多いです。やっと声出しライブが解禁になって、ファンの方々も待ちに待ったライブだったと思います。自分たちの楽曲のどこで声を出そうとなった時、きっとファンの方々も最初は戸惑ったと思うんです。そんなファンの方々とglow tourを通して一緒にライブというものを作り上げていけた年だったなと思います。自分たちの楽曲を歌いながらもファンの方々の掛け声が入っているのを聞いて、これが完成形のet-アンド-の曲だとすごく感じた年でした。それが今年掴めたばかりなので、来年はそれを活かしつつ、そこからどんなライブにしていくのかを今から考えるのが楽しみです。こうしてファンの方々と一緒にライブや曲を作り上げていくのが楽しみになる、それに繋がる1年だったなと私は思います。
栗本優音:今年から声出しが解禁になりましたけど、人生で声出しライブをするのがglow tourが初めてでした。やはり感動しましたし、声出しでライブできるってこんなに楽しいんだなとglow tourで実感できました。5都市を回るこんなに大きなツアーをできるのが嬉しくて。その反面地方でライブすることにちょっと心配や不安な面もあって。そんな中でも試行錯誤しながらどうやって盛り上げていこうかなって。声出しが解禁になってからのet-アンド-のパフォーマンスをどうレベルアップさせていくか。リハをしながらMCとか毎回考えていました。今回のglow tourで初めて一人一人がカバー曲に挑戦したり……一人で舞台に立つのも初めてだったので。ありきたりだけど一人でのパフォーマンスの仕方なども成長できた年だったと思います。
Q:栗本さんは声出しライブが初めてとのことですが、et-アンド-に入る前はどのような活動をされていましたか?
栗本優音:活動はミュージカルとか、そういうことしかやったことがなくて。ライブパフォーマンスはet-アンド-でデビューしてからが初めてです。コロナ禍でしたので今年からですね。やっと!!
山崎カノン:今年はそれこそ凱旋ツアーをやりたいねとか。ファンクラブを今年から開設したのでファンクラブミーティングをやりたいねと言っていたことが叶った年でした。2024年も、やりたいことや自分たちが目指したいものを着実に叶えていける年になればいいなと思います。
モラレスきあら:私たち主催のイベントでも声出しOKになって、初めて声援をワーッと受けたとき、こちらが負けそうになるぐらいの歓声だったことをすごく鮮明に覚えていて。ライブができて声出しができるようになったのも2023年からで、東名阪+香川、札幌へ行って……私の地元にみんなが来てくれたのもすごく嬉しかったです。ファンの方々も遠くまで足を運んでくださって。
Q:最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
野島樺乃:いつも応援してくれるアンディーの皆さん。今年は2023年夏にglow tourを開催してバーっと駆け抜けてきたなという感じでツアーが終わりました。et-アンド-のライブが見たいよとか、et-アンド-の曲を待っているよと言ってくださるファンの声に応えられるよう、曲をリリースできていない期間やライブがない期間は、皆さんに次会える日までのスキルアップにつなげられるよう一生懸命練習だったり曲についてだったりet-アンド-のことを考えて活動していきたいと思っています。私たちがステージに立つ時、曲をリリースした時は、思う存分に曲を聴いて、思う存分にライブで楽しんでくれたら嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします!