miwaの2023年を締めくくるmiwa Billboard Live Tour 2023 『miwa CLASSIC III』が12月2日(土)の東京公演をもってツアーファイナルを迎えた。
2023年のmiwaは2月に冬のEP「バレンタインが今年もやってくる」、5月にシングル「ハルノオト」をリリースし、4月〜5月にかけて全国12都市をまわる弾き語りライブツアー「miwa acoustic live tour 2023 『acoguissimo 5』」を開催、11月にはEP「月に願いを」をリリースし、今回の「miwa Billboard Live Tour 2023 『miwa CLASSIC III』」と精力的にリリースとライブを重ねてきた。
本レポートでは、miwaの単独公演としては2023年ラストとなる「miwa Billboard Live Tour 2023 『miwa CLASSIC III』」から2023年12月2日(土)@ビルボードライブ東京2ndステージのライブレポートをお届けする。
本ツアーでは、11月にリリースしたばかりのEPから新曲「月が綺麗ですね」と「Wedding Wish」の披露やこの時期ならではのクリスマスソングのカバーなどファン垂涎のライブとなった。
年末に差し掛かるこの時期に3年連続で開催されたビルボードライブツアー「miwa Billboard Live Tour 2023 『miwa CLASSIC III』」。
恒例となってきた『miwa CLASSIC』という冠で開催されている本ツアーだが、通常のライブとは編成が全く異なる、ピアノ・アコースティックギター・ヴァイオリン・チェロという編成でのライブだ。
本ツアーでは、11月にリリースしたばかりのEP「月に願いを」から新曲「月が綺麗ですね」と「Wedding Wish」も披露された。
大阪、横浜、東京を巡ったツアーは12月2日(土)東京公演をもってファイナルを迎えた。
開演を前にゆったりとした空気が流れている会場では、ビルボードライブならではの光景である食事やお酒を楽しみながら開演を待つ観客の姿が見られる。
開演時間になり、このツアーのためだけに作られたという衣装に身を包んだmiwaがゆっくりとオンステージ。
本ツアーのバンドマスターであるeji(ピアノ)のカウントから1曲目に披露されたのは「ハルノオト - With ensemble」。
2023年4月にYouTubeチャンネル「With ensemble」にて披露されたこの楽曲を、miwa、eji、村岡苑子(チェロ)、須原杏(ヴァイオリン)というビルボードライブツアーメンバーでのライブバージョンで届けた。
デビュー前からmiwaと共にライブを重ねてきたejiはもちろんのこと、須原杏と村岡苑子はYouTubeチャンネル「With ensemble」でもmiwaと主に演奏したメンバーでもあり、4 人の息の合ったパフォーマンスが観客の心をぐっとライブに引き寄せる。
観客との距離がとても近いビルボードライブという会場だが、MCになると3年目ということもありmiwaも慣れてきているのか観客とのコミュニケーションをしっかりと取りながら会場の雰囲気を和ませる。
そして、オバタコウジ(ギター)も加わりバンドメンバー全員が揃う。
今回のツアーのテーマを話したり、食事や飲み物を勧めたり、ゆったりとした空気感でトークを広げていく。
「2nd ステージだけのスペシャルソングをご用意しました。」とビルボードライブツアー3年目にしてオバタコウジが初めてリクエストしたという「恋の予感」を披露。
続いて、ビルボードライブツアーでは恒例となっている『みんなでお楽しみメドレー』。
今年2023年の『みんなでお楽しみメドレー2023』は、バンドメンバーの紹介をしつつ、「リトルガール」〜「ミラクル」〜「シャイニー」〜「君に出会えたから」の4曲をメドレー形式で披露した。
miwa はステージの端から端まで動き、会場に詰め掛けたひとりひとりのファンの顔を見ながら会場を盛り上げ、それに応えるようにファンも手拍子やコールアンドレスポ
ンスで盛り上げる。
さらに、その雰囲気のままmiwaは、ドラマ『凪のお暇』の主題歌「リブート」を歌い切る。
続くMCでは、11月15日(水)にリリースされたEP「月に願いを」について、そして今回のビルボードライブツアーにて限定販売されていたコラボカクテル『月見酒』について、miwaとejiを中心とした息の合ったトークで会場を楽しませる。
ビルボードライブならではの、とても近い距離感でファンとのコミュニケーションを取る姿も印象的だった。
MCでもしっかり観客の心をつかみ楽しませることができるのは、これまで幾度となく経験してきた様々なステージやライブがあるからだろう。
そして、リリースされたばかりの最新EP「月に願いを」から新曲「月が綺麗ですね」を披露。
秋の季語でもある『月』と夏目漱石の『月が綺麗ですね』の逸話をモチーフに制作された「月が綺麗ですね」は秋の夜にぴったりのサウンドに仕上がっている楽曲だ。
照明によってステージのカーテンに月が映し出されるような演出もあり、耳と目の両方で楽曲の世界観を堪能することができた。
続けて、EPに収録されているもうひとつの新曲「Wedding wish」を披露。
イントロとともにビルボードライブ東京ならではのステージバックのカーテンが開いていき、miwaが歌う姿の奥に東京の夜景が広がっていく。
ワーグナーの「婚礼の合唱」をモチーフにしたメロディーが印象的なこの楽曲は、miwaの実妹の結婚式へ向けた『祝福』と幸せな未来への『願い』を込めて書き下ろされたウェディングソング。
大切な楽曲を丁寧に歌いあげ、「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」を続ける。特にこだわったという、ストーリー性のある3曲の流れがとても美しい。
miwaの歌声とバンドメンバーが奏でる上質な演奏を、歌詞と情景を思い浮かべながら聴いているであろう観客の中には涙を流すファンも見受けられた。
「今日は直接皆さんにお会いして歌を届けることができて嬉しく思います。2023年、皆さんのおかげでステージに立って歌うことができました、本当にありがとうございます。」と会場に詰め掛けたファンと配信を見ているファンに伝える。
「デビューから13年経ちましたが、この曲が私をいろんなところに連れて行ってくれました。ひとりひとりに届くように、想いは目には見えないけれど歌に乗せて届けたいと思います。」とmiwa自身の想いを歌に乗せるように「ヒカリへ」を会場に届けた。
歌い切った後、「次の曲で最後になります。今日は本当にありがとうございました。」とひと言話すと、想いがあふれたのか、涙を流し言葉に詰まるmiwa。
会場から自然とmiwaを支えようと温かい声がかけられる。その光景に目頭が熱くなる。「いつもみんなが私の曲を聴いてくれるように、私もいつもみんなのことを思っています。みんながこのステージを楽しみにして来てくれたように、私もこのステージを楽しみにして来ました。私は歌うことしかできなくて、歌で少しでもみんなに何かを届けたくて、いろんな想いを歌にしてきました。みんなと出会えて本当に良かった。私の歌が少しでも、みんなを支える歌だったらいいなと思います。ここにいるひとりひとり、『誰もが誰かの光』です。そんな想いで作ったこの曲を最後にお届けします」と涙ながらに語り、このツアーで感じてきたことや体感したこと、さらには全力で駆け抜けてきた2023 年を全て詰め込んだような想いのあふれる「We are the light」を歌い上げて本編が終了した。
miwa がバンドメンバーともにステージを去ると、すぐさま会場からは再度の登場を期待するアンコールの手拍子が鳴り響く。手拍子に誘われて、再度ステージにmiwaが登場。
「アンコールの次の曲はみなさんご自由に写真や動画を撮ってください」と、観客にスマートフォンなどを用意するように促す。
クリスマスソングの中からセレクトされたのは「We Wish You a Merry Christmas」。
サンタクロースのカチューシャなどクリスマス小物を着用したバンドメンバーとともに楽しげに歌う。
そして本公演の締めくくりへ。昨年のビルボードライブツアーの1曲目だった「片想い」を最後に披露。
10年以上前にリリースされた楽曲ながら、昨年のツアー後2023年にはアコースティックギターバージョンやWith ensembleでのオーケストラバージョンなど、様々なアレンジで新たな面を見せてきた色褪せることのない名曲でこのツアーを締めくくった。
素敵な食事と演奏、そしてmiwaの歌によって作り上げられた素晴らしいライブの余韻を残し、本公演miwa Billboard Live Tour 2023 『miwa CLASSIC III』は終幕となった。