9月11日、東京・日本武道館にてドリーム・シアター東京公演〜IMAGES, WORDS & BEYOND 25th Anniversary Tour〜 が開催された。
今回は1992年に発売された名作『Images And Words 』から25年が経ち、そのアルバムを再現するという内容で、公演前からファンの期待は高まるばかりであった。
18時の開場と同時にツアーTシャツを着たファンが次々と場内に入っていく。アイアン・メイデンの「The Trooper」やオジー・オズボーンの「Mr. Crowley」など、メタルファンなら必ず知っているであろう名曲がBGMとして流れていて開演前から会場のノリも良い。
ドリーム・シアター Photo by Masayuki Noda 画像 2/8
オーディエンスの拍手が大きくなり、ドリーム・シアターのメンバーがステージに登場。19時ジャストにヘヴィなリズムから「The Dark Eternal Night」からライブがスタート!
ミッドテンポの曲調であるが、ベース、ドラムが安定したリズムでフレーズを刻み、それに高音のギターが被さってくる非常にバランスの良いバンド・サウンドである。
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ボーカルのジェームス・ラブリエがステージ狭しと走りながらオーディエンスを煽り、場内の盛り上がりもスタートからなかなかである。ドラムとキーボードの圧巻の即興演奏で一気にエンディングへ。
「こんばんは東京!」と日本語で伝えたあと、ラブリエは今回のライブ開催について感謝の気持ちを伝える。
セルフタイトル・アルバムからとアナウンスがあり、「The Bigger Picture」が披露される。まさにドリーム・シアターのエピックな世界観がふんだんに詰め込まれた壮大な楽曲で、感情をこめて歌い上げるラブリエに、ジョン・ペトルーシの叙情的な泣きのギターソロで展開していく。
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そのまま、インスト曲「Hell's Kitchen」へ続き、メンバーそれぞれの音色を最大限に生かしたアンサンブルで一気に会場を包み込む。
ドリーム・シアターでは、比較的キャッチーな部類にはいる「The Gift Of Music」ではラブリエが再び登場し、力強いボーカルで盛り上げる。
キャッチーなギターリフから 「Our New World」へ続くと、アップテンポな曲調でラブリエがオーディエンスを煽り、盛り上がりは次第にヒートアップしていく。
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ここで「この世で一番美しい世界を演じます」と、ラブリエが伝えて、ジョン・マイアングの静かなベースソロからミッドテンポのヘヴィチューン「As I Am」に続く圧巻の流れが見られた。
イントロからキーボードとギターのメロディアスなフレーズがインパクト抜群の楽曲「Breaking All Illusions」では、スピード感のある間奏に、ペトルーシがステージのセンターに君臨し泣きのギターのフレーズをこれでもかと見せつける。まさに唯一無二の世界感で武道館のオーディエンスを圧倒する。
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ここで20分間の休憩タイムを挟み、2部は、いよいよ『Images And Words 』の再現が始まる。
20時20分、「Pull Me Under」のイントロが鳴り響くと大歓声が起こる。スピード感溢れるこの楽曲で場内はヘッドバンギングやジャンプするオーディエンスで盛り上がる。サビでは会場全体から歌声が聞こえ、一体感が凄まじい。
当時より成熟したボーカルで感情あらわに歌い上げるラブリエ、各楽器陣でスリリングな演奏でエンディングを迎えると、大きな拍手が起こる。
ラブリエは、25年前の思い出を語り、日本のファンはアメイジングだと感謝の気持ちを表す。
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叙情的なバラード曲「Another Day」に続き、「Take The Time」のタイトルコールがあった。ドリーム・シアターしかなし得ないラップからロック、クラッシックなどあらゆるモダンな要素が詰まった名曲であるが、起承転結の展開が完璧に再現される。
サビでのオーディエンスの盛り上がり、ラストの叙情的なシンセのシーンはこの日一番の盛り上がりだと言っても過言ではない。ラストはギターソロを引き延ばし、ペトルーシによるアレンジも加わった。
「Surrounded」は、キャッチなメロディーラインが特徴的な人気曲。息遣いが伝わってくるラブリエのボーカルが圧巻であった。
続いての「Metropolis, Pt.1: The Miracle and the Sleeper」のイントロが鳴り響くとますます盛り上がりをみせる。
途中、マイク・マンジーニのドラムソロも含み、ドリーム・シアターの代名詞とも言える壮大な楽曲を完璧な演奏で見せつけた。
さらにメロディアスなハードチューン「Under A Glass Moon」が続き、息をつく間もない緊張感が続く。
ここでラブリエが短めのMCで一息いれて、ジョーダン・ルーデスの神秘的とも言える綺麗なキーボードソロからバラード曲「Wait For Sleep」へ。
椅子に腰掛けて歌うラブリエは、安定感抜群で相変わらずエモーショナルなボーカルを響かせ、満員のオーディエンスを包み込む。
ドリーム・シアターならではの人生をテーマにした組曲「Learning To Live」では、圧巻の曲展開に当時の興奮が甦った。
アルバムトラック順でライブが進行しているにも関わらず、予定調和を超えたさらなる高いフィールドでの音世界が展開され、(当時からのファンであるオーディエンスからも感嘆の声があがるほどであった。
ここで本編は終了。
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アンコールでは、23分にも及ぶ大作、「A Change Of Seasons」が披露され、最後まで安定した演奏陣の完璧さと、力強いボーカルで締めくくった。
約3時間のライブで『Images And Words 』を完璧に再現した今回のライブでファンはどう感じたのであろうか?
間違いなく誰もがドリーム・シアターでしか創ることの出来ない唯一無二の世界観に興奮したに違いない。
今後のドリーム・シアターの活動にさらなる期待が高まるばかりである。
9月11日
ドリーム・シアター東京公演
〜IMAGES, WORDS & BEYOND 25th Anniversary Tour〜 日本武道館 セットリスト:
M1: The Dark Eternal Night
M2: THE Bigger Picture
M3: Hell's Kitchen
M4: The Gift Of Music
M5: Our New World
M6: As I Am
M7: Breaking All Illusions
M8: Pull Me Under
M9: Another Day
M10: Take The Time
M11: Surrounded
M12: Metropolis, Pt.1: The Miracle and the Sleeper
M13: Under A Glass Moon
M14: Wait For Sleep
M15: Learning To Live
EN1: A Change Of Seasons