13日、T-BOLANがお台場・Zepp DiverCityにて「T-BOLAN LIVE HEAVEN 2017 夏の終わりに「再会」 〜Acoustic Live Tour〜」東京公演を開催した。
バンド史上初の全編アコースティックでのライブということで話題を呼んでいた今回の公演であるが、90年代当時、学生時代に聴いていたリスナーで、生でT-BOLANを見るのが初めていうファンもいたことだろう。
先日発売された二枚組のアコースティックベストアルバム「T-BOLAN 〜夏の終わりに BEST〜 LOVE SONGS+1 & LIFE SONGS」だが、収録曲を大人になってから聴きかえすと、過去のそれぞれの思い出が鮮やかに蘇ってくる。
19時半にいよいよライブはスタート!
ステージ下手から白のラフなシャツに黒のパンツ姿で登場した森友嵐士は、パワフルな歌声で『HOW DO YOU FEEL?』を歌い始める。
そのまま『あこがれていた大人になりたくて』に続くと、コーラスワークも抜群で心地よいサウンドを響かせる。
憧れていた大人になりたい願望の中で生まれる心の葛藤がテーマの楽曲だが、20年以上前に書いたこの歌詞に対して、森友はどう感じながら歌ったのだろうか?きっと感慨深い気持ちだったに違いない。
「ようこそ会いたかったぜ、東京!
T-BOLAN LIVE HEAVEN 2017夏の終わりに「再会」へようこそ」とまずは森友がオーディエンスに挨拶。
「カウンタダウンライブから約9ヶ月かかりましたが復活できて感謝です。
ライブタイトル、LIVE HEAVENは1995から29年ぶり
みんなとまた旅の始まりが出来て嬉しいです。
今日は笑顔と拍手で盛り上げていこうぜ!」と煽り、T-BOLANの代表曲の一つである『マリア』が始まる。
歌詞の一語、一語を丁寧に噛み締めながら安定したボーカルを響かせる森友。
過去よりもさらに成熟した歌いっぷりに大歓声が起こる。
「20数年前の曲たちが、今日生まれ変わった感じがします。
一曲ごとに思い出や景色が残像のように残ってます。
このバンドの始まりは、六本木のある小さなビルの一室でプロデューサーからあるデモテープを聞かされたんだよ。
次は、そんな俺達のはじまりの曲を聴いてください。」
『悲しみが痛いよ』がアコースティックサウンドで始まると、森友の息遣いまで伝わってくるかのような感情あらわなボーカルがオーディエンスを飲み込んでいく。
ここで森友とギターの五味孝氏との共作の楽曲が続く。
「五味との共作の中でもかなりいいよね」と森友が笑顔で自画自賛したバラード曲『Lovin' You』から
アコースティックアルバムを作るきっかけになった曲『夏の終わりに』と、過去の代表曲が連発され、オーディエンスはそれぞれの思い出に浸りながら盛り上がっていく。
先日の音霊でのライブを振り返る森友。
「暑い中でバラードばっかりやるわけにはいかないから、横に揺れようか?って(笑)いろんな曲をレゲエバージョンにしたら、切ない曲も楽しくなったんだ」と五味と即興で『マリア』のレゲエバージョンが披露された。
シングル曲『Bye For Now』は過去に披露されたことのないアコースティックバージョンで披露。
繊細なキーボードの音に合わせて、しっかりと歌い上げる森友に拍手が送られる。
さらに『愛のために 愛の中で』 はオリジナルに近いバンドサウンドで演奏され、手拍子でオーディエンスが盛り上げてますます場内はヒートアップしていく。
ドラムの青木和義との共作の『BOY』では、メンバーの青木から聞いた命の誕生に感動したエピソードを振り返り、曲が誕生した秘話を語った。
『T-BOLANは、六本木のど真ん中の小さな事務所から始まり、当時は年間150本ぐらいライブをやってて、当時、ホコ天でライブをやってた思い出もあります。
そんなT-BOLAN支えてくれてる色んなスタッフがいて、やっと今日来てくれたみんなと繋がったんだ…。みんなとの再会、そしてスタッフとの再会に拍手を。
仲間がいること、変わらないこと、同じ思いになれることがいかに大事か、今になり分かってきました。」と
森友が感謝の気持ちをしっかりと伝える。
ある旅先の駅のホームで出来た楽曲『遠い恋のリフレイン』をパワフルなボーカルで歌いあげたあと、ベースの上野博文がステージに、呼び込まれいよいよフルメンバーに。
森友は、2015年にくも膜下出血で上野が倒れた当時のエピソードを語る。
「ステージに立つぞ!」と森友が声をかけると、言葉も発することが出来ない上野の目から涙が溢れたという。
それを見て、また復活出来ると森友は確信し、メンバー全員で上野を励ましながら彼の復活を待ち続けてきた。
「「ライブをやりたい。」という上野のひと言で、去年のカウントダウンを決めたんだ。ステージに立てるだけで奇跡だから。
それでは、奇跡の男の音をお送りします。」
ここでT-BOLANの代表曲『離したくはない』が披露されると、奇跡の復活をとげた上野の渾身のプレイが見られ、大歓声が起こる。
会場全体の大合唱で盛り上がる、ライブでの上野のテーマソングでもある『Happiness』を上野は演奏し、ステージから去った。
後半は、『じれったい愛』『刹那さを消せやしない』とシングル曲を連発し、懐かしいメロディーにオーディエンスは拍手で盛り上げる。
ここで森友と五味がスツールから立ち上がると同時に会場全員が立ち上がり、ライブでは圧倒的な盛りあがりを見せる『SHAKE IT』では、青木がエンディングでドラムソロを披露し盛り上がりは最高潮に。
「東京ラストいくぜ!」と森友が煽り、
本編ラストは、T-BOLANのライブといえばこの曲、『My Life is My Life Way』。
メロディーが秀逸なアッパーチューンだが、サビでは「Hey!」「Hey!」と煽り、オーディエンスとの掛け合いも見られ、ロックバンドとしての存在感を改めて見せた。
ここでいったんT-BOLANはステージから去る。
満足できない会場から当然のごとくアンコールがおこり、
肩を組む青木と上野を先頭でT-BOLANが登場し、サポートアーティストの紹介を元黒夢の人時がべース、アレンジャー・葉山たけしがサポートギター、DIMENSIONの小野塚晃がキーボード、B.B.クィーンズ・坪倉唯子がコーラス、そして今回で抜擢された神田陽太のコーラス参加と豪華なメンバーであった。
大歓声の中、21年ぶりの新曲『ずっと君を』が披露される。
まさにこれぞT-BOLANといったメロディーラインで森友の深みのあるボーカルが乗っかる名曲に、場内の盛り上がりは凄まじい。
「22年前の恋人に会う気分ですね。サンキュー心から感謝します。
人生何があるかわからないけど、いまの気持ちを大事にしたい。どんなスピードになるか分からないけど、今日からスタートです。
最後に俺たちの夢を・・」と森友からのコメントがあり、
ラストは『Heart Of Gold』。
T-BOLANからの夢に対するメッセージが詰まった熱いメッセージソングでライブを締めくくった。
「また、会おうぜ!」と森友が叫び、笑顔でメンバー4人がステージから去った。
いよいよスタートを切ったT-BOLAN。
次は彼らがどんな夢を見せてくれるのか期待が高まる。
2017年9月13日
「T-BOLAN LIVE HEAVEN 2017 夏の終わりに「再会」 〜Acoustic Live Tour〜」東京公演 セットリスト:
M1: HOW DO YOU FEEL?
M2: あこがれていた大人になりたくて
M3: マリア
M4: 悲しみが痛いよ
M5: Lovin' You
M6: 夏の終わりに
M7: Bye For Now
M8:愛のために 愛の中で
M9;BOY
M10:遠い恋のリフレイン
M11:離したくはない
M12:Happiness
M13:じれったい愛
M14:刹那さを消せやしない
M15:SHAKE IT
M16:My Life is My Way
EN1: ずっと君を
EN2:Heart Of Gold