「雨にも負けない気持ちをゆかりに向かって咲かせて下さい」とブログに綴ったのは田村ゆかり。午後のライブが始まってから雨が降り続いてる。集まった観客はレインコートを着用しての参加となり、申し合わせたように大半のそれがピンク色だ。そして、手にはピンク色のサイリウム。”王国民”と呼ばれるファンたちは、田村の初めての野外ライブの会場を、レインコートさえ味方につけ、”ホーム”に変え、登場をじっくりと待つ。
ハロウィン感たっぷりの音楽と、おどろおどろしいセリフの言い回が印象的な『†メタウサ姫 ~黒ゆかり王国ミサ~†』からライブはスタート。わざと舌ったらずに歌うのがポイントにもなっている楽曲だとファンの間では有名で、声優としても活躍している田村ならではのオープニングとなった。4人のダンサーを従え、メタル調のやや激しめの曲を歌いきった。Aラインのシルエットがキュートな黒いマントですっぽりと身体を覆った、魔法使いのような格好で登場した田村。髪型はツインテールに白いウサギの耳。思わずキュンとする。
「…いやー。雨ですね。」と、笑ながら空を見て一言。
「お家出るのもあんまり好きじゃないのに、わざわざお外に出てきてくれて、雨に降られて、今どんな気持ち?笑 」と王国民へ問うと、「うおー!」と最高に盛り上がっていることを田村へと示した。だんだんと日が落ちてきて気温が下がり始めた。「風邪ひかないように、…気をつけようもないと思いますけど、隣同士で暖め合って。雪山の時みたいに何かが生まれるかもしないんで。」と、観客を思いやりながらも、抜群のセンスで笑いを誘った。
さらに「ハロウィンなんで…」と黒い衣装を脱ぎ捨てる。白いキャミソール姿は透き通るような肌との相性は抜群だ。胸元とマイクを持つ手にはめたグローブには、白いふわふわ素材が使用されており、ドリーミーな衣装へと早変わりした。ポケットとスカートの裾、また、丸い尻尾(!)は、触りたくなるようなピンク色のふわふわ素材で作られている。肩が出て「寒い」ともコメントしていたが、ライブの熱気は増す一方だ。
弾ける可愛さがたまらない『14秒後に KISSして♡』を熱唱。この楽曲のMVは、"KISSにたどりつくまでのドキドキ感"をテーマに撮影されているようだ。
新曲『Hello Again』では、頭の上に両手の指先をくっつけて、両腕でハートを作る振り付けを会場も一緒に行った。ハイテンポでノリが良い楽曲でライブにはもってこいだ。
終盤のMCでは「だんだん夜になってきたから、みんなが雨に濡れてゾンビみたいに。笑」と、雨に濡れてもハロウィンを楽しみたくなるコメントを会場へ届けた。この後、「ミニアルバム(『Princess ♡ Limited』)から1曲」とし、『ゆかりはゆかり♡』を披露した。
だんだんと雨は止み、ライブはラストへとスパートをかけることとなった。会場とのコール&レスポンスで一体感が気持ち良い『fancy baby doll』。続けて『You & Me』では、曲中のラップを王国民が担当するような場面も見られ、田村と王国民の関係性が一層深まったようだ。左手で左耳を抑え、右手ではDJがスクラッチするような仕草をとり、ストリート系のノリを感じさせる格好良さを醸し出し、クールにフィニッシュをキメた。
(取材/文:村松美紀)
「めざましテレビ PRESENTS T-SPOOK ~TOKYO HALLOWEEN PARTY~」
M1:†メタウサ姫 ~黒ゆかり王国ミサ~†
M2:14秒後に KISSして♡
M3:Hello Again
M4:ゆかりはゆかり♡
M5:fancy baby doll
M6:You & Me