2017年10月28日(土)・29日(日)の2日間、千駄ヶ谷の東京体育館にて、きゃりーぱみゅぱみゅ単独ライブ「THE SPOOKY OBAKEYASHIKI ~PUMPKINS STRIKE BACK~」が開催された。ハロウィンにちなんだライブでありながらもテーマは「日本のお化け屋敷」というユニークな本公演は、2日aa間で1万5千人を動員した。
ライブスタート前から、会場には祭り囃子のような音楽が流れ、どこか夏の終わりのようなノスタルジックな風情が漂う。そんな中、まず始まったのはオープニングムービー。森の中を追われる夢から覚めたきゃりーの目の前には3匹のお化け。ぬらりひょん、九尾の狐、から傘お化けが、寝起きのきゃりーに語りかける。「すっかり影を潜めてしまった日本のオバケを復活させてほしい」ときゃりーに頼むお化けたち。果たしてきゃりーは、そんなオバケたちとどう立ち向かうのか。
きゃりーぱみゅぱみゅ(Photo by Aki Ishii) 画像 2/11
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大きな屋敷を模した木組みの建物をバックに、真っ赤な東洋風のドレスを身にまとい、行灯型のステッキを手にしたきゃりーが登場。1曲目『ファッションモンスター』『インベーダーインベーダー』を披露する。
「今日はけっこう懐かしい曲もいっぱい歌っていきたいと思います!」最初のMCに続いて『くらくら』『さいごのアイスクリーム』など、ちょっと懐かしめの曲を展開。『CANDY CANDY』では、オープニングムービーに登場した3匹のお化けたちもステージに登場して大いに盛り上げる。
きゃりーが衣装チェンジをしている間、3匹のお化けたちは、自分たちの思うように会場を恐がらせることができないことに葛藤し始めるが、貞子に扮したダンサーとグランドピアノを叩く幽霊ピアニストが現れ、ちょっぴりゾクゾクするパフォーマンスを繰り広げる。そんな中、きゃりーがなんと空から真っ黒な羽根をまとって再登場。現像的なプロジェクションマッピングの映像や炎の演出とともに『スローモ』を歌いながら、ゆっくりと地上に降り立った。
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ステージに着陸すると、ショートボブの髪に黒い羽根に包まれたトップス、タイトなパンツという、大人っぽいシルエットが判明。ちょっぴりセクシーなプロポーションでオーディエンスを沸かせた。
「どうですかー?カラスコスでーす。羽根のあたりが美川憲一さんを彷彿させる感じですが」と会場を笑わせつつ、この日集まった人たちのハロウィンコスプレをチェック。カップルかと思いきや男性2人組のピンクウサギ、キツネかと思いきやネコ娘。そして、カオナシのコスプレの観客をいじって会場を盛り上げた。
その後『ふりそでーしょん』を歌い終えると、ステージの様子が一転。白いドレスの貞子ダンサーズがステージ中央で激しいパフォーマンスを繰り広げ、それをステージ端で腕組をしながら眺めるきゃりー。もしやと思った次の瞬間、今度はきゃりーがステージ中央へ立ちブレイクダンスで対抗する。そう、まさかのダンスバトルの勃発だ!キレキレのダンスを披露したきゃりー、ラストはなんと!バク転まで披露。このダンスバトル、もちろん勝者はきゃりーだ。
ダンスバトルに会場もヒートアップしたところで、ここからは人気曲が次々と展開。『もんだいガール』に続いて、アリーナ中央にゴンドラで移動しながらの『にんじゃりばんばん』。ゴンドラすぐ下に向かって「見えてるよー!」と手を振るきゃりーにアリーナのオーディエンスは大興奮。きゃりーがステージに戻ると、3匹のお化けとダンスバトルを繰り広げた15人のダンサーも集結し、会場の熱気もピークを迎えた。
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ここでふたたびお色直しへ。3度目の衣装はお姫様のようなピンクのドレス。かと思いきや、よく見ると頭にローソクを巻いてる?「一緒に歌って!」と『良すた』『キミに100パーセント』の2曲を携え、今度はアリーナ後方をゴンドラで移動して盛り上げた。
「3番目の(衣装の)テーマはハッピーな霊媒師。胸元にヒトダマがデザインされていて、頭のローソクにはスワロフスキーが仕込まれいるんですよ。コレけっこうお気に入り」と衣装の説明からのMCへ。
ダンスバトルのレッスンには相当苦労したようで、拍手が起こると「そんな拍手されたら泣いちゃう」と思わずポロリと口にする場面も。続いては、唐突に観客からの質問コーナーを展開。数名にマイクを向けた中、もうすぐ誕生日という女の子に"HAPPY BIRTHDAY"を歌ってあげたりと、ほっこりとした時間となった。
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ここからはいよいよクライマックス。ペンライトが会場を彩った『Ring a Bell』、アレンジの効いた『きらきらキラー』そして『原宿いやほい』では「もっと声出してー!」のきゃりーのシャウトとともに会場は「いやほい」コールに包まれた。
その後も『つけまつける』、きゃりーが振り付けを伝授しての『最&高』と、今回のステージでずっと一緒だったお化けたちも、人を恐がらすことよりも楽しませることを覚えてしまい、締めの1曲『Crazy Party Night~ぱんぷきんの逆襲~』が終わると無事に成仏。
一匹ずつ煙とともにステージ下部へフェードアウトしていった。そしてきゃりーも曲のラストに煙とともにステージ下にフェードアウト。お化けときゃりーの物語も締めくくられた。
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アンコールには本ライブのTシャツにニット帽というカジュアルなスタイルで登場。『とどけぱんち』に続いての『エクスプローラー』ではリコーダー演奏も楽しませてくれた。
「アンコールどうもありがとうございました!最後まで楽しんで行っていただければと思います。恐いのと楽しいの融合はどうなのかなと思いましたけど結果、楽しんでいただけたのではないかと思います!ブレイクダンスにバック転。自分のスキルもUPしたかなと思えてとても楽しかったです。最後にもう1曲いいでしょうか?私のデビュー曲歌います。踊る準備はできてるかー!」の声とともに、お化けやダンサーも総出演での『PON PON PON』で全プログラムが終了。
「これからも新曲つくってアルバム出して、またライブできるようにしたいと思います!日本の妖怪たちに拍手!貞子たちに拍手!オバケダンサーズに拍手!そしてきゃりーぱみゅぱみゅでした!今日はどうもありがとう!」スキップしながらステージセットの奥に彼女が消えていった後、会場には改めて大きく、そして暖かい拍手が沸き起こった。
(取材/文:バッキー☆大坂)
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【セットリスト】
M1.ファッションモンスター
M2.インベーダーインベーダー(extended IYAHOI mix short ver.)
M3.くらくら
M4.Drinker
M5.さいごのアイスクリーム
M6.シリアスひとみ(Crazy Party Night short ver.)
M7.CANDY CANDY(remix IYAHOI Intro ver.)
M8.スローモ
M9.No No No
M10.こいこいこい
M11.ふりそでーしょん
M12.もんだいガール
M13.にんじゃりばんばん(extended IYAHOI Intro ver.)
M14.もったいないとらんど
M15.良すた
M16.キミに100パーセント
M17.Ring a Bell
M18.きらきらキラー(extended ヘブンズドア Intro ver.)
M19.原宿いやほい
M20.つけまつける
M21.最&高
M22.Crazy Party Night~ぱんぷきんの逆襲~
En1.とどけぱんち
En2.エクスプローラー
En3.PON PON PON(WORLD TOUR 2016 ver.)
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