これほど「降臨」の言葉がふさわしいバンドがあるだろうか。そんな風格をも漂わせつつステージに途上したBUCK-TICK。長いキャリアを持ちつつ、一度も活動休止や解散宣言もせず、ひたすら自己のサウンドを突き詰め続けている孤高のバンドだ。
レジェンドと言っても過言ではない彼らの姿を一目でも見ようとするオーディエンスで埋め尽くされるMOON STAGE。いよいよメンバーが登場すると、デビューから一貫して変わらないナイフのエッジのようなソリッドな彼らの風貌に、オーディエンスからはざわめきともため息ともつかない吐息が上がる。
>変わることのないヴォーカルの櫻井敦司の眼差しからは、ヴィジュアル系バンドのあるべき姿とも言える圧巻の迫力が感じられる。他のアーティストからは感じることのできない魔力に魅せられながらのパフォーマンスにも、まさに唯我独尊の力がみなぎっている。
そして1曲目『独壇場Beauty』のイントロで、唐突にマイクの土台を握り思い切り天上に突き上げる櫻井。いよいよレジェントのステージが幕を開ける。
画像 2/8
画像 3/8
続く『メランコリア』は疾走感あふれるナンバー。3曲目『ONCE APON A TIME』はPOPな香りも漂わせつつ、一瞬だけはにかんだ笑顔を見せる櫻井。BUCK-TICKワールドの幅の広さを感じさせてくれた。
ここで場内が一瞬暗くなり、いつの間にかシルクハットをかぶった櫻井に目を奪われていると、その横でギターの寿がテルミンによる猟奇的な音を響か『Django!!!‐魅惑のジャンゴ』が始まる。まさにBUCK-TICKならではの圧巻のパフォーマンスが堪能できる瞬間だ。
『mement mori』では、寿が幾何学的なフォルムのギターでダークな重低音を響かせつつ、櫻井はサーチライトを頭上に抱え、オーディエンスを一様に照らす。