6月23日(土)、千葉・幕張メッセにてLUNA SEA主催のロックフェス・LUNATIC FEST. 2018 初日が行われた。「狂おしき奇跡のFES再び。」をテーマに、史上最狂のロックフェスは幕を開けた。
今回は、MOTHER STAGE、MOON STAGEと、同規模のステージを2つ対極に設置。「全バンドがメインアクト」という主旨を前面に打ち出して行われた。
「痛み」をテーマに数々の作品を産み出してきたDIR EN GREYは昨年結成20 周年を迎えた。
今年4月にリリースされ、1年9か月ぶりとなるシングル『人間を破る』を皮切りに、DIR EN GREYのステージは、終始デスヴォイスを発し続ける。京(ボーカル)は、お立ち台に片足をかけて、うずくまった態勢のまま魂を込めて歌う。京の口元が裂けたようなメイクのインパクトは強烈だ。『SUSTAIN THE UNTRUTH』では、突き抜ける高音パートで、高い歌唱力を見せつけた。
荒々しくかき鳴らすギターとベースのイントロが攻撃的な『THE FINAL』では、オーディエンスは手を高く掲げ、取り憑かれたかのようにリズムをとりはじめる。最後はボーカル・京のロングトーンからデスヴォイスに切り替えてのフィニッシュは圧巻だ。
DIR EN GREY (LUNATIC FEST. 2018) 画像 2/6
DIR EN GREY (LUNATIC FEST. 2018) 画像 3/6
金属音のようなシャウトが刺激的な『audience KILLER LOOP』、さらに、新曲『Ranunculus』を、ハードなバンドサウンドと感情を込めた歌声で天に届けた。『孤独に死す、故に孤独 。』では、赤いライトに照らされた京は怪しげで、狂気すら感じる。ロシア語で「罪」という意味を持つ『VINUSHKA』では、京は哀愁を感じさせる歌声と、女性ボーカルのような優しい歌声を使い分けた。タトゥーが入った首筋に汗が流れる。
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「ここが真実だ!」
京の言霊は会場全体に響き、オーディエンスはそれに手をあげて応えた。畳み掛けるシャウトとデスボイスを繰り出し、滑らかな動きのコンテンポラリーダンスをも巧みに操る。また、ステージの奥にあるモニターに映し出される映像にも、DIR EN GREYのメッセージが込められているのが見受けられた。
「ラスト・・・。」と、悲しみにも似た感情を帯びたつぶやきをする京。両手でマイクを持ち、うずくまり、身体から絞り出す声は魂の叫びとなり、『詩踏み』を紡ぎ出した。そこにはエデンに導かれるかのような響きさえ感じた。
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終演後、DIR EN GREY公式ツイッター(@DIRENGREY_JP)では、「とても素晴らしい時間をいただけたことに感謝します。またお会いする日まで。 」と投稿しており、史上最狂のロックフェス・ルナフェスを楽しんだことを報告している。
(取材/文:村松美紀)
LUNATIC FEST. 2018 MOTHER STAGE
DIR EN GREY
M1 人間を破る
M2 SUSTAIN THE UNTRUTH
M3 THE FINAL
M4 audience KILLER LOOP
M5 Ranunculus
M6 孤独に死す、故に孤独。
M7 VINUSHKA
M8 詩踏み