頭上で手を左右に振る様子から名付けられた沖縄民謡・カチャーシーを、陽気さは残したままロックアレンジされたBGMが流れる。カチャーシーは、沖縄方言の訛で「かき回し」という意味があるそうだ。午後のGRASS STAGEをかき回しにORANGE RANGEが登場した。
ORANGE RANGEの代表的なサマーな楽曲『上海ハニー』で幕開けだ。再びカチャーシーを踊り、メンバーとオーディエンスによる「イーヤーサーサー」のコールアンドレスポンスが行われた。HIROKI(ボーカル)は、「ロックインジャパン楽しんでる?新曲でもそのテンションで来れる?沖縄の風、感じてください!」と呼び掛けた。ORANGE RANGEと同じ空間にいるだけで、沖縄のイズムを感じる。
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パフォーマンスは中盤へ。5月9日に配信リリースした、4つ打ちのビートが印象的な『Ryukyu Wind』をパワー全開で披露した。「新曲でアガるってすごいね、ありがとう!」と、感謝の気持ちを述べた。さらに、『以心電信』は、ステージ上のメンバーとオーディエンスとの大合唱が圧巻だ。曲中のフレーズ「僕らはいつも以心伝心」を用いたコールアンドレスポンスが行われ、GRASS STAGEにいた誰もがバイブスが上がった。
RYO(ボーカル)は、「今日はお祭り騒ぎ。誰も置いていきませんよ。」と会場の端まで見渡し、静かにつぶやいた。「まだ終わらせねぇよ。こんなに晴れてくれました。集まってくれました。どうよこのロケーション?!」ヒット曲『ロコローション』の歌詞を引用したMCから、夏真っ盛りの楽曲を披露した。
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「広いステージ駆け回ってると、お腹が空いてきますねー。大好物を発表します。お寿司です!」ランチタイムに選んだナンバーは『SUSHI食べたい feat.ソイソース』。腹ペコのオーディエンスにぴったりだ。寿司ネタの名前を並べて歌うキャッチーな歌詞からORANGE RANGEのユーモアが溢れ出す。続けて、渋いベースと3人のユニゾンが気持ち良い『Hopping』。曲調は一変、しっとりとした歌い出しでオーディエンスを惹きつけたのは、名曲『花』だ。HIROKIの歌い出しに「お〜!」と、高揚したざわめきが会場から上がった。午前中は曇っていた空が、いつの間にか太陽が見えるようになった。「ORANGE RANGE効果っていうのかな!」とテンション高めに盛り上げ、『チラチラリズム』で会場の一体感を極めた。
「みなさん、あちらをご覧ください。」RYOが空高く、片方の手の平を上に向けた。「ORANGE RANGEの親友を紹介します。イケナイ太陽くんです!」と、太陽の日差しを味方につけた。ドラマ主題歌としても人気が高い『イケナイ太陽』では、ヤンチャにステージ上を駆け回った。
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「次のバンドに、アツいステージを渡すために!」と、サビがキャッチーな『キリキリマイ』を最後の一曲にセレクト。クールな顔立ちのYAMATO(ボーカル)から湧き出すシャウトに、オーディエンスの感情は高ぶった。
日差し降り注ぐ夏の野外ステージがこんなに似合うアーティストが、今までいただろうか。このステージに参戦するためだったら、少しくらい日焼けしてもいいかなと思えてしまう。
ORANGE RANGEは、GRASS STAGEに最高の音楽と夏の楽しさを届けてくれた。
(取材/文:村松美紀)
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018
8月12日 GRASS STAGE
ORANGE RANGE・セットリスト
M1 上海ハニー
M2 Ryukyu Wind
M3 以心電信
M4 ロコローション
M5 SUSHI食べたい feat.ソイソース
M6 Hopping
M7 花
M8 チラチラリズム
M9 イケナイ太陽
M10 キリキリマイ