日本財団パラリンピックサポートセンター(以下、パラサポ)は、11 月 23 日(金・祝)に「ParaFes 2018 ~UNLOCK YOURSELF~」(協賛:野村ホールディングス株式会社、JXTG エネルギー株式会社、 日本航空株式会社、三井不動産株式会社)を下記の通り開催した。
ParaFes は、パラスポーツの普及啓発を通じインクルーシブ社会の実現を目指すライブエンターテインメ ントイベントで、3 回目の開催となる今年のテーマは「真剣勝負」。パラアスリートとオリンピアンによる息をの む勝負や、障がいのあるミュージシャン、国内人気アーティストたちが、ここでしか見ることのできないコラボ レーションでお送りするステージが実現した。
過去最高の 6,000 人の来場者が見守る中、パラフェスダンサーズによるオープニングパフォーマンスに 続き、パラサポ最高顧問の東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 森喜朗会長、パラサポ 特別顧問の日本財団 笹川陽平会長、パラサポ会長 山脇康による登壇者挨拶の後、ParaFes ロゴオブ ジェの点灯が行われた。
続いてスクリーンには国際パラリンピック委員会 アンドリュー・パーソンズ会長 のメッセージ VTR が投影され、「僕の特別な友達、国際パラリンピック委員会特別親善大使(*1)を紹介 しましょう!」の掛け声で、草彅剛と香取慎吾が登場。会場は歓声に包まれ、「パラフェス 2018、 開幕です!」と開会が宣言された。
ナビゲーターを務める草彅が満員の客席を見て、「こんなに大勢の方が集まってくれて、選手も嬉し いと思う」と感想を述べると、香取も、「2020 年も満員のお客さんで、選手を応援したいですね」と、東 京 2020 パラリンピックへ向けての意気込みを語ったところで、アスリートによる“真剣勝負”がスタート。
まずは、東京 2020 パラリンピックで正式競技に採用された、テコンドーの勝負。日本チームをけん引す るパイオニア、伊藤力選手と、ニューヒーロー星野佑介選手が登場し、東京 2020 パラリンピックで実際に 行われる試合形式である 2 分×3 ラウンドの試合で対戦した。
開始早々、星野選手が 2 ポイントで先 制するも、伊藤選手が連続得点で盛り返すなど一進一退で緊張感があふれる攻防が繰り広げられた結 果、17-16 で伊藤選手が勝利。
ParaFes 2018 ~UNLOCK YOURSELF~ 画像 2/7
伊藤選手は、「このような機会に、パラテコンドーを見ていただき、ありがとうございます。ぜひ、また見に 来てください」とコメント、星野選手は、「負けてしまって悔しいですが、大きな舞台で試合を体験できて幸せ です」と話し、ともに東京大会でのメダル獲得の目標を口にしていた。
続いては、パラリンピアンとオリンピアンとの卓球での真剣勝負です。リオ 2016 パラリンピック代表の岩渕 幸洋選手とリオデジャネイロオリンピック 2016 銀メダリストの吉村真晴選手が、パラアスリートから見える卓 球台を具現化した世界初の“変形する卓球台”を使い、11 点先取の 1 セットマッチで真剣勝負を行いまし た。序盤は岩渕選手がリードするも、吉村選手が徐々に得点を重ね、熱い戦いの末、吉村選手が 11-5 で勝利した。
岩渕選手は、「(大舞台での試合に)緊張しました。入りはよかったが、徐々に力が入ってしまった。
この経験を糧に、東京大会ではいいパフォーマンスをしたいです」と意気込みを語りました。また、吉村選 手は、左サイドが長い変形した台での慣れない卓球に、「やりにくかったです。卓球台が広くて、スタミナも 必要。岩渕くんのすごさを感じました。勝ててほっとしました」と感想を述べた。
ParaFes 2018 ~UNLOCK YOURSELF~ 画像 3/7
最後は、車いすフェンシングの真剣勝負で、加納慎太郎選手が、ロンドンオリンピック 2012 銀メダリストの三宅諒選手と、エペ種目で 5 トゥッシュ先取の試合を行いました。三宅選手が先制するも、加納選手が 徐々にリズムをつかみ、得点を重ねます。目にも止まらない素早い剣さばきが、観客を魅了。緊迫感あふ れる戦いが繰り広げられた結果、5-3 で勝利したのは加納選手だった。
加納選手は、「応援のおかげで、勝つことができました。オリンピアンの三宅選手と剣を交えられて、光栄 でした」と感想を語ると、慣れない車いすに座っての競技に、三宅選手は、「(フットワークで逃げられない分) どこに行っても逃げられず、息のつけない競技でした」と、車いすフェンシングの難しさも語りました。ともに、 「応援は力になる」と、会場での観戦を呼び掛けてた。
UNLOCK LIVE は、会場で配布されたアイマスクをつける「ブラインドコンサート」形式で、今回で 3 回目の 登場となった全盲のシンガーソングライター木下航志の「明日に架ける橋」からスタート。続いて、リオ 2016 パラリンピック閉会式でもパフォーマンスを披露した両腕のないブラジル人ピアニスト兼ギタリストのジ ョナタ・バストス(Johnatha Bastos)による「Just The Way You Are」が演奏された後、盲目の小学生ド ラマー酒井響希が登場し、3 人による「Isn't She Lovely」が披露された。
ここで、現在、出演しているミュージカルの舞台終演後、パラフェスに駆け付けた稲垣吾郎がステー ジに登壇。「到着して、まだ 5 分だけど、もう感動しています」とコメントし、会場を盛り上げた。
最後に、May J.が加わってのスペシャルセッションがスタート。温かで透明感あふれる歌声と息の合 った圧巻の演奏で、「This Is Me」が披露されると、会場は拍手に包まれました。May J.は、「3 人の演 奏がパワフルで、負けないように歌いました。このまま皆で、ツアーを回りたいくらいです」と感動のステージ を振り返っていた。
ParaFes 2018 ~UNLOCK YOURSELF~ 画像 4/7
SPECIAL LIVE では、パラフェス初参加の秦 基博が登場し、まず「アイ」を歌い上げると、「パラスポ ーツは初めて見ましたが、間近に見て、すごい迫力でした」と感想を語り、続いて、「鱗(うろこ)」を披露しま した。ラストとなった秦の代表曲「ひまわりの約束」では、出演したアスリート、ミュージシャンら全員がひ まわりの花を手に登壇し、一緒に歌唱。会場は黄色一色に染まり、ひまわり畑にいるような一体感に包まれた。
ParaFes 2018 ~UNLOCK YOURSELF~ 画像 5/7 ParaFes 2018 ~UNLOCK YOURSELF~ 画像 6/7
最後にグランドフィナーレとして、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾によるパラスポーツ応援ソ ング「雨あがりのステップ」(*2)が披露されました。ステージ上の出演者と観客が一つになった華やかなフ ィナーレとなり、拍手と歓声の中 ParaFes 2018 は幕を閉した。
今年は、隣接するサブアリーナにてテーマパーク型のパラスポーツ体験イベント「i enjoy ! パラスポーツ パーク in ParaFes 2018」(共催:武蔵野の森総合スポーツプラザ)が同時開催され、10 組の動画クリエ イターも含む約 1,300 人が来場し、様々なパラスポーツにチャレンジ。パラスポーツパークでは初めての実 施となった視覚障害者柔道を始め、車いすバスケットボール、パラ陸上(レーサー)、ボッチャ、パラ卓球、 パラ・パワーリフティングの計 6 種のパラスポーツ体験コーナーを開設。パラアスリートによるレクチャーもあ り、障がいのあるなしにかかわらず、子どもも大人も一緒になってパラスポーツを楽んだ。
ParaFes 2018 ~UNLOCK YOURSELF~ 画像 7/7
また、会場内には、ParaFes 2018 協賛各社のブースも出展され、今年の世界選手権においては見事 金メダルを獲得した池崎大輔選手も来場し、タックル体験で会場を盛り上げた他、応援メッセージの寄せ 書きなど、各社特徴あるブースそれぞれは多くの来場者でにぎわっていた。
特設ステージでは、ソウル 1988 パラリンピック金メダリスト(陸上競技)の永尾由美氏が講師をつとめる 「あすチャレ!Academy」と、アテネ 2004 パラリンピック銅メダリスト(水泳)の杉内周作氏による講演「知ら なきゃ損!パラスポーツの魅力」も行われました。永尾氏は、「うなずきや笑い声など反応が多く、来場者 の熱心さが伝わってきました」と話していた。
会場ではさらに、香取がパラサポのキーメッセージである 「i enjoy !」をテーマに描いた壁画(縦 2.6 m、横 6.1m)をレゴブロックで実寸大で再現した「レゴ壁画」もお披露目されました。普段は「日本財団パラアリーナ」に展示され一般公開はされていないこともあり、多くの来場者が記念撮影するなど、貴重な機会 を楽しんでいた。
今回のすべてのイベントを支えたボランティアとして、視覚障がい者や聴覚障がい者を含む約 190 人が 参加。ParaFes 会場は、車いす席とアクセシブルシートに加え、聴覚障がい対応席を設け、手話パフォー マーによる情報保障も提供した。
■実施概要
名 称 : ParaFes 2018(パラフェス 2018)
日 時 : 2018年11月23日(金・祝) 16時~19時
会 場 : 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(東京都調布市西町 290-11) 主 催 : 公益財団法人日本財団パラリンピックサポートセンター
協 賛 : [ゴールドパートナー] 野村ホールディングス株式会社
[オフィシャルパートナー] JXTGエネルギー株式会社、日本航空株式会社、三井不動産
株式会社
後 援 : スポーツ庁、 東京都、 障がい者スポーツ・パラリンピック推進議員連盟、
公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会
■登壇者(敬称略)
森 喜朗 (日本財団パラリンピックサポートセンター 最高顧問、東京オリンピック・パラリンピック競技大 会組織委員会 会長)
野田 聖子(障がい者スポーツ・パラリンピック推進議員連盟 2020 年パラリンピック東京大会成功作業 チーム 座長)
笹川 陽平(日本財団パラリンピックサポートセンター 特別顧問、日本財団 会長) 山脇 康(日本財団パラリンピックサポートセンター 会長) アンドリュー・パーソンズ(国際パラリンピック委員会 会長) ※VTR 出演 ■日本財団パラリンピックサポートセンター スペシャルサポーター(敬称略)
稲垣 吾郎、草彅 剛、香取 慎吾
■アーティスト(敬称略)
秦 基博、May J.、ジョナタ・バストス (Johnatha Bastos)、木下 航志、酒井 響希 ■パラアスリート(敬称略)
伊藤 力 【パラテコンドー】、星野 佑介【パラテコンドー】、岩渕 幸洋 【パラ卓球】、加納 慎太郎 【車いすフェンシング】
■オリンピアン(敬称略)
吉村 真晴 【卓球】、三宅 諒 【フェンシング】