女性ファッション誌、「NYLON JAPAN」の創刊15周年プロジェクトとして作られた映画『転がるビー玉』。メインキャストに吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯を迎え、笠松将や大野いとら、注目の若手役者が集まっている、この度、2月7日(金)の全国公開を前に、舞台となっている渋谷にあるホワイト シネクイントにて1月31日(金)より先行公開がはじまった。
渋谷PARCOの8階・ホワイト シネクイントにて1月31日(金)映画『転がるビー玉』の先行公開を記念して舞台挨拶が行われ、メインキャストの吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯、そして笠松将、大野いと、宇賀那健一監督が登壇した。
壇上にあがり一人ずつ挨拶を行う中、萩原が「できたばっかりの映画館で、ここに立てるのがすごく嬉しいです」と話すと、宇賀那監督も「渋谷の再開発を描いてきたこの映画が、新しい渋谷の象徴でもあるPARCO・ホワイト シネクイントさんで上映できることをすごく嬉しく思っています」と、ホワイト シネクイントで先行初日を迎える喜びを述べた。
本作は、再開発が進む渋谷で、取り壊されることが決まっている部屋にルームシェアをして夢を追い求める、3人の女性のささやかな日常生活を描いた物語。まずは、それぞれが演じた役柄についての話題からスタート。
モデルの愛を演じた吉川は、「すごく努力しているのに必死にもがいているのに、全然売れなくて、どんどん自分が追い詰められていく役」と、演じた役について語る。続けて「モデルという仕事をずっとやっていたわけではないので、足を綺麗に見せるポーズとか、洋服が上手く写るポーズとか難しいなと思いました」と、愛を演じる上で意識したところを伝えた。
NYLON編集部で働く瑞穂を演じた萩原は、「劇中で一番好きなセリフは「どこに帰りたいんだろううね」っていう言葉」と伝え、家にいても落ち着かない、会社でも何となく居場所がない、啓介のことが好きなのに、彼女がいる…という状態の瑞穂を演じる上で一番気を付けていたのは、「居場所を作らないこと。帰る場所を作らないようにすること」だったと話し、役作りで大切にしていた所を明かした。
そして、ストリートミュージシャンの恵梨香を演じた今泉は「とにかく明るくて元気で、歌うことが大好きというところを意識して演じました」と話したあと、MCが路上で歌うシーンについて尋ねると、「学生時代、渋谷の路上やライブハウスで一人で歌っていたので、あの時のことを思い出して、すっと入ってくる部分がありました」と、恵梨香という役を、ご自身と重ね合わせつつ振り返る。
彼女がいるけれど、瑞穂のことも好きな啓介を演じた笠松。「このご時世、中々演じずらい・・・」と話し始めると会場に笑いが起こり、そのまま宇賀那監督と萩原にいじられた笠松は、「いろんな人にリスペクトというか、愛をもって、生きているということを念頭に持って、台本を読みました」と、啓介という役について語った。
カリスマモデルのテテを演じた大野は「カリスマって何だろう?っていうところからすごく考えました」と話し、「自分なりに考えて自分の意見を正当化できる人、周りの意見に流されない人物」と、テテを演じる上で核となった部分を伝えた。
本作のポイントの1つでもある、萩原演じる瑞穂と、笠松演じる啓介の関係性。二人のやり取りの中でも一番重たいシーンの撮影があったのはなんと朝一で、二人は「はじめまして」の状態だったという。「啓介のことをちゃんと好きになれるかな?っていうのを心配していたので、家でずっと笠松さんの写真を見ていました(笑)」と明かすと会場の温度が上がり、「瑞穂にとってそれが核になるし、大事だと思っていたので、必死に好きになろうと思っていたんです」と、瑞穂に対する想いと共に続けた。
3人の生活を中心に様々なシーンがある中で、本作ではじめてやったことについてMCが伺うと、今泉は「初めてクラブに行きました。入った瞬間にすごいテンションが上がっちゃって。すごい朝早かったんですけど、愛ちゃんとずっと踊ってました(笑)」と、初クラブの楽しさを伝えた。同じく初クラブで、事前に動画を見て学んでいたという大野も「初日がクラブでかっこよく踊ってるシーンだったので、すごくドギマギしてのインでしたね(笑)」と撮影を振り返った。
フォトセッションのあと、宇賀那監督より「この映画はすごくささやかな映画で、3人の生活を覗き見るような映画です。僕が愛・瑞穂・恵梨香の3人に大丈夫だよと言ってあげたくて作りました」と伝え、続けて「その大丈夫だよというのは、“うまく行くから大丈夫だよ”ではなくて、“あなたたちが悩んでいる姿を見ている人は絶対にいるし、あなたたちの魅力というものは絶対に存在するから大丈夫だよ”という想いで作りました」と、本作に対する想いを述べ、『転がるビー玉』の先行公開初日舞台挨拶は幕を閉じた。