TBSでは、2021年1月スタートの金曜ドラマ枠で『俺の家の話』を放送する。主演・長瀬智也×脚本・宮藤官九郎のTBS連続ドラマで11年ぶりとなる2人のタッグで描くのは、濃すぎる家族が織りなす王道のホームドラマ。長瀬演じるピークを過ぎたプロレスラーが、能楽の人間国宝である父の介護のために現役を引退し、名家の長男として家族と謎の女性介護ヘルパーを巻き込んで介護と遺産相続を巡る激しいバトルを繰り広げるストーリーだ。
このたび、長瀬扮する主人公の観山寿一(みやま・じゅいち)を取り巻く個性的なキャラクターとして、桐谷健太、永山絢斗、江口のりこ、井之脇海、平岩紙、そして、西田敏行の出演が決定した。
寿一の父・寿三郎(じゅさぶろう)の一番弟子にして芸養子でもある寿限無(じゅげむ)を演じるのは桐谷健太。長瀬とは『タイガー&ドラゴン』(2005年)など数々の作品で共演経験のある桐谷だが、今回は能楽の名家の長男と芸養子という間柄。どういった関係に発展し、どのような熱い演技合戦を繰り広げるかに注目だ。
寿一の弟・踊介(ようすけ)を演じるのは、長瀬と初共演となる永山絢斗。踊介は寿三郎の厳しすぎる指導に反発し、家を出てプロレスラーになった兄・寿一とは真逆で、純粋に「能」を愛している。しかし、自分には才能がないことを悟った踊介は能の世界で生きることを諦め、それでも父の役に立ちたくて弁護士になった。そんな寿一と踊介の兄弟バトルにも注目していただきたい。
江口のりこは、観山家の長女であり寿一の妹・舞(まい)を演じる。進学塾で講師をしている舞は、女性というだけで宗家を継げず、寿一や踊介に劣等感を抱いている。『半沢直樹』の国土交通大臣・白井亜希子役など、多様な役で輝きを放つ江口。今度は家族を相手にどのようなキャラクターを見せるのかに期待が高まる。
また、能楽とは別世界で生きるプロレスラー・プリティ原を井之脇海、寿一の別れた妻・ユカを平岩紙が演じる。
そして、宮藤作品に欠かせない存在である西田敏行が、観山流の宗家であり、寿一の父・寿三郎を演じる。『うぬぼれ刑事』(2010年)では長瀬演じるうぬぼれの父役、『タイガー&ドラゴン』では父子のような関係性の落語家の師匠を演じてきた西田。今作では長瀬とどのような父子像を見せてくれるのか、そして、今回発表になった個性的なメンバーが宮藤作品でどのような演技を見せるのか。濃すぎる観山家が繰り広げる家族の話、ぜひご期待いただきたい。
<桐谷健太コメント>
宮藤さんの作品は宮藤さんにしか出せない味があると思います。僕の中では、もはや故郷の味みたいになっていて(笑)。なのでまた呼んでいただき、味わえる。とてもうれしいです。しかも主演が長瀬くん。『タイガー&ドラゴン』以来、長瀬くんとはもう15年以上も付き合いがあり、以前から「また一緒にやりたいね」と言っていました。役者としても、人としても、とても波長の合う方だと思っているので、この作品でも共に切磋琢磨していきたいなと思います。そして今回、舞台となるのが能楽の世界。現在、映像を見たり、能の美術館へ行ったりと勉強中なんですが、知れば知るほど奥の深い世界で、しかもかっこ良い。情報があふれている世の中で、能は自分で想像させられることがたくさんある世界。クランクインする前、時間があれば佐渡のほうに世阿弥をたどる旅をしたいと思うほど。そんな中で、僕は芸養子である寿限無を演じます。物腰が柔らかくて、優しくて、いろいろなことを包み込んできた男性です。寿一が帰ってきたことで、いろいろな事件が起こっていくと予想しているんですが、寿限無がどのように変わっていくのか!? 能楽師のように重心をしっかり下げ、しなやかに演じていきたいです。宮藤さんが描く脚本は温かさのあるホームドラマになると思うので、平日最後の金曜日、ぜひ肩の力を抜いてご覧になってください。
<永山絢斗コメント>
今回の脚本も宮藤さんの色がとても濃く出ていて、笑いました。宮藤さんの作品には何度か出演させていただいたのですが、ある程度のポジションは決まっていても、そこには決めつけたようなものはなくて、演者に任せる余白をいつも感じます。「どうエッセンスを加えるかはお任せします」と汲み取らざるを得ないのです。なので台本をもっと読み込んで、探っていかなきゃと思っています。『ごめんね青春!』のときも回を進めていく中で、キャラクターがコロッと変わったりしたので(笑)。何が起こるかわからないところも宮藤さんの脚本の魅力だと思っています。そして主演の長瀬智也さん。『IWGP(池袋ウエストゲートパーク)』はもちろん、ずっとテレビで観ていた方なので、今回共演させてもらえて(しかも兄弟です)本当に感激しています。能楽についてはまだ少し触れた程度なのでこれから勉強していくつもりです。宮藤さんと磯山さんが手掛けるドラマは僕の中では特別感があり、毎回素晴らしく面白い方たちが集まる作品ですので、いろいろなことを吸収しながら“笑い”について考え、学んでいきたいです。僕の役柄は面白担当ではないんですが(笑)。
<江口のりこコメント>
最初にこのドラマのお話を聞いたとき、宮藤さんの脚本作品に出られて、うれしいという気持ちでいっぱいになりました。宮藤さんの脚本ってすごく面白くて、とにかく笑えるじゃないですか。普段、あまりドラマを追いかけて見ることはないんですけど、宮藤さんの書かれた本のドラマは好きで、よく拝見させていただいていております。宮藤さんの舞台も好きなので、ドラマの出演が決まったときは、本当にうれしかったですね。今回、私が演じるのが、長瀬さん演じる寿一の妹・舞。お父さんの身を心配したり、遺産問題に真剣に悩んだりするんですけど、その姿が真面目であればあるほど面白くなると思っていて。だからこそ真面目に芝居をしなきゃなって身を引き締めています。そして、主演の長瀬さんは、強いエネルギーを発していて、ほかの方にはない魅力を持っている方なので、一緒に芝居ができるのがとても楽しみな方です。宮藤さんが描かれるホームドラマは、今の時代の人たちに必要な作品であると思うので、ご覧になる方にはぜひ笑ってほしいですね。
<井之脇海コメント>
初めて脚本を読んだ時に、嫌なことや辛いことを全て忘れて、笑いながらあっという間に読んでしまいました。この笑いを早くみなさんに届けたいです。物語全体はもちろんですが、ぜひプロレスチームの面白くも熱い部分にも注目して笑っていただきたいです。宮藤さんの作品に参加するのは今回で3回目になります。どの役も宮藤さんのキャラクターへの愛をたくさん感じるので、今回もその愛に応えられるよう全身全霊で演じたいと思います。
僕が演じるプリティ原は、プロレスと長瀬さん演じる寿一が大好きな、真っ直ぐな少年のような人だと感じました。身体作りもしていて、現時点で10kg以上増量しましたが、長瀬さんの身体の仕上がりを見て、さらに気合を入れて頑張らなくてはと思いました。髪型やコスチュームにもこだわって、“プリティ”に演じたいと思います!
実は昔、長瀬さんの中学生時代を演じさせていただいたことがあります。その時は「僕が大人になったらこんなカッコいい大人になるんだ」と思ったのですが、現実そう甘くはなかったようです(笑)。今回は長瀬さんとずっと一緒なので、カッコいい大人に近づけるよう、長瀬さんのカッコいいエキスを吸い尽くしたいと思います。
<平岩紙コメント>
宮藤さんの脚本は、隅々の登場人物までに愛情があり、みんな可愛く、面白いことを言ったりします。そんな優しい脚本を演じさせていただけることは毎回うれしいです。主演の長瀬さんは、心根が綺麗で真っ直ぐな方なんだろうなあと勝手に尊敬しております。率直にうれしいです! 私は長瀬さん演じる寿一の離婚した妻・ユカを演じます。寿一の人生の上で枝分かれした、もう一つの道のエピソードなので、関係性がこれからどうなっていくんだろう? と楽しみにしています。ユカについては、年齢的にも人生経験的にも、想像も共感もしやすいです。それに関西弁なので大阪出身である自分にとっては、より近い存在になれるように思います。
脚本を読ませていただき、想像しただけで、もう、いろんなことが豪華ですし、絶対面白いやん! て、ニンマリしてしまいます。想像以上になるんだろうなあ。どのシーンも楽しみです。なので、視聴者の方と共に毎週楽しみに視聴したいと思います。よろしくお願いします!
<西田敏行コメント>
宮藤くんの脚本は既成概念を取り払い、役者の気持ちを泳がせてくれます。既成の何かを演じるのではなく、何もないゼロの状態から役を作らなければいけない・・・そこが魅力でもあり、演じることが楽しみな脚本家です。長瀬くんとは、長瀬くんがまだ10代のころ『竜馬がゆく』というドラマで共演したことがあって。そのとき驚いたのが表現者として一番大事な目力を持っていたこと。だから長瀬くんと共演すると自分も刺激を受けることが多いんです。素晴らしいポテンシャルを持った役者なので、今回もいいキャッチボールができるんじゃないかと期待しています。今回、僕が演じるのは能楽の人間国宝・寿三郎。彼は日本の伝統芸能を支えていく責任を持っていると同時に、そこから解放されたいという自由を求める気持ちも持っているんじゃないかと考えていて。縛りとゆるさを併せ持ち、頭の中はカオス状態になっている男を早く演じてみたいです。いまや学者や有識者にも先が見えない時代に突入しました。そういうときこそ、フィクションを大事にして、楽しんでいただきたいと思います。そこにはきっと“力”が潜んでいると思うので、ぜひこの作品をご覧になり、エネルギーにしていただきたいですね。
<チーフプロデューサー・磯山晶コメント>
『俺の家の話』には最高のキャストに集まっていただきました。
人間国宝の能楽師・観山寿三郎役に西田敏行さん。西田さんと長瀬くんのかけあいはフリージャズのセッションのようです。年齢は違いますが、こんなに感性が合っている俳優二人ってなかなかいないと思います。今回の企画が「親子もの」「介護もの」と決まった瞬間に、西田さんにお願いに行きました。
桐谷健太さんには、今までも宮藤くん脚本のドラマに数多く出ていただいていて、絶大な信頼を寄せています。明るくて優しくて真面目、という彼本人のキャラに近い今回の寿限無役を、どう温かく演じていただけるのか、とても楽しみです。そして永山絢斗さん。能楽の才能がなく、家のために弁護士になった次男・踊介はその几帳面さゆえに父親や兄の自由さに嫉妬し、もやもやする役です。絢斗さんにしか作れないチャーミングなキャラクターにしてくれると信じています。江口のりこさんは初めてご一緒しますが、『名もなき毒』『わたし、定時で帰ります。』の演技を見て憧れていたので、今回すごくうれしく思っています。平岩紙さんは『木更津キャッツアイ』の時からずっと変わらぬ透明感ですが、今回は関西弁でまくしたてる寿一の元妻の役です。今までで一番意外な感じでやってもらいたいです。井之脇くんは、『おんな城主 直虎』の時から素敵だなと思っていました。寿一を慕う後輩レスラーであるプリティ原はプロレス練習が半端ないのです。どうかお芝居はもちろん、彼の努力と鍛錬の結果を見ていただきたいです。