4月20日(金)草月ホールにて行われる朗読劇SONG & PLAY 「ふじ子の恋」に深川麻衣が出演することが決まった。
1909年、厳冬の北海道で実際に起こった列車事故を元に描かれた小説「塩狩峠」。
同作は1966年の連載以降、「氷点」や「道ありき」と同様に、著者である三浦綾子氏の大ヒット作品となり、1973年に映画化。文庫化などにより多くのファンに親しまれている。北海道の三浦綾子記念文学館には現在も「塩狩峠ツアー」として、多くの人々が足を運んでいる。
SONG & PLAY 「ふじ子の恋」を、同小説ヒロイン・ふじ子の目線で紡ぎ、新たな三浦綾子ワールドを創り上げたのは、奇才・笹部博司。
出演は、国民的人気グループ「乃木坂46」で「乃木坂の聖母」として人気を博しつつ、昨年に卒業した深川麻衣。アイドルから本格派女優へとステージを移した深川麻衣が、本作品の世界観を生演奏の音楽と共に歌と朗読で表現する。
音楽は、ピアノ演奏に井上芳雄主演「星の王子さま」の作曲も手掛けた野瀬珠美氏。チェロ演奏はスイス・ローザンヌ音楽院を主席で卒業後、林峰男氏をはじめとする世界的チェロ奏者らに師事した渋谷陽子氏。
主演の深川麻衣は、チラシデザインの原画や衣装案などを自ら手掛けるなどし、アーティスティックな一面も見せていく。
“職人”たちが集結し、それぞれが本作に施したエッセンスも見どころのひとつである。
あらすじ ◆
生まれつき足が悪く、病弱なふじ子。幼い頃には父の暴力にも怯える日々を送っていたが、そんな中で希望の光ともなる初恋をした。相手は兄の友人・永野信夫だった。親の借金など互いの家庭の事情により遠く離れて暮らしていたふじ子と信夫であったが、ふたりの想いは募るばかりであった。年頃になり縁談が持ち上がりつつも、互いの想いは固かった。
信夫への愛を貫く中、ふじ子は当時、不治の病とされた結核に侵される。紆余曲折の末、結婚の約束をする二人であったが、離れて暮らすふじ子へ会うために信夫が乗った列車には悪魔が乗っていた。
列車が塩狩峠の勾配を登り切ったその時、客車最後尾の連結器が外れ、信夫の乗った満員の客車は峠を滑り落ちるように暴走し始める。鉄道員でもあった信夫は下敷きになってその列車を止めようと自らの身を線路に投げ出す。
明治の終わりに北海道で起こった列車事故の実話を紐解きながら、丁寧に紡がれた究極の物語。
深川 麻衣 ◆
1991年、静岡県生まれ。
「乃木坂46」の初期メンバーとして数多くのヒット作と共に活動し、同グループを牽引する存在に。「乃木坂の聖母」の愛称で老若男女に親しまれ、「国民的人気グループ 乃木坂46」の礎を築いた。
人気絶頂の中、俳優業に専念するべく2016年に同グループを卒業。
同年、テレビドラマ「プリンセスメゾン」(NHKBS)に出演し、2017年には北村薫原作の舞台「SKIP」で主演を務め、本格派女優として注目を集める。現在、オンラインRPG「剣と魔法のログレス いにしえの女神」の新CMに出演し好評を博している。
笹部 博司(作・演出)◆
脚本家・演出家・演劇プロデューサー。
1977年に演劇・戯曲を専門とする出版社「劇書房」を設立。海外のベストプレイシリーズ、寺山修司戯曲集などを出版する。次第に、自社で出版した作品を制作し上演するようになり、1990年に演劇製作会社「メジャーリーグ」を設立。主な作品に、大竹しのぶ「奇跡の人」、武田真治(初演)・藤原竜也(再演)「身毒丸」、麻美れい「メアリー・ステュアート」、蜷川幸雄演出「グリークス」、白石加代子「百物語」シリーズなど。
新潟市民芸術文化会館の演劇部門芸術監督として、2013年よりリーディング企画“物語の女たちシリーズ“をスタートさせ、十朱幸代「燃えよ剣」、奈良岡朋子「黒い雨」、岸恵子「蝉しぐれ」、松坂慶子「私のエディット」など、すべての上演台本を手掛ける。他にリーディング企画としては、井上芳雄による「夜と霧」で上演台本のほか演出も担う。2016年より”りゅーとぴあプロデュース”による演劇作品創作をスタートさせ、第1弾となる白石加代子主演「エレクトラ」を上演した。2017年10,11月に“物語の女たちシリーズ”の第12弾「大石内蔵助の妻 りく」の上演台本・演出を手掛ける。
野瀬 珠美(ピアノ)◆
武蔵野音楽大学大学院作曲専攻修了。
舞台作品の音楽を数多く手掛けつつ、国内外の演奏家やアーティストに作曲作品を多数提供。主な作品にりゅーとぴあプロデュース「オフェリアと影の一座」(2016年 白石加代子主演)や「星の王子さま」(2017年 井上芳雄・上白石萌歌・木村花代出演)などがある。また2003年より作曲を担当しているりゅーとぴあ演劇スタジオ キッズコースAPRICOTの作品には「赤毛のアン」、「小公女」、「銀河鉄道の夜」、「スーホの白い馬」など多数。
渋谷 陽子(チェロ)◆
桐朋学園大学音楽学部卒業。同大学研究科を経て、スイス・ローザンヌ音楽院を第1位、奨励賞を得て卒業。鷲尾勝郎、倉田澄子、松波恵子、林峰男の各氏に師事。「シャンポーの森で眠る」、「赤毛のアン」をはじめとして、りゅーとぴあ制作のミュージカルに多数参加。
◆笹部博司コメント◆
一人の女性、それは深川麻衣。
彼女に一人の女性を出会わせる。三浦綾子の名作「塩狩峠」のヒロイン、ふじ子。
何が起こるだろうか。それが今回の舞台である。
深川麻衣はその出会いに、ドキドキしている。
わたしは、ワクワクしている。
◆深川麻衣コメント◆
初めての朗読劇。
舞台に立った時に何が見えてくるのか、どういうものが生まれるのか、楽しみな気持ちと、未体験な場所に足を踏み入れる怖さで、今から心臓がドキドキしています。
ふじ子の言葉に、気持ちに、素直に自由に身を委ねながら、観に来てくださる皆さんと一緒に、ふじ子の内側に触れることができたら嬉しいです。
【スタッフ】
作・演出 笹部博司
音楽 野瀬珠美
舞台監督 川畑信介(obbligato LLC)
照明 中島一(ライズワン)
音響 和田匡史
衣裳・デザイン原画 深川麻衣
宣伝・webデザイン 渡辺浩光
制作 玉田由香里 矢野平祐
制作プロデューサー 谷渕寿江
主催・製作・企画 テンカラット
【出演】
野瀬珠美(ピアノ)
渋谷陽子(チェロ)
【会場】
草月ホール
(地下鉄東京メトロ半蔵門線・銀座線、都営大江戸線「青山一丁目駅」4番出口より徒歩5分)
【日時】
2018年4月20日(金) 18:00~ (開場17:00~)
【料金】
10,000円(税込)全席指定
【チケット発売】
【抽選先行】
受付期間:1月20日(土)10:00~1月24日(水)23:59 当落発表:1月27日(金)
【先着先行】
販売期間:2月3日(土)10:00~2月10日(土)20:00
【一般販売】
販売期間:2月20日(火)10:00~4月17日(火)20:00