株式会社文藝春秋は、THE ALFEEのリーダ ー、高見沢俊彦(執筆名は髙見澤俊彦)の初の小説『音叉(おんさ)』のサイン会を本 日都内で開催した。
書籍購入者のなかから抽選で選ばれた約 200 名が列をなし、高見沢 さんがひとりひとりの読者の名前とサインを入れた。
また、メディア取材でタイトルの意味について、「音叉というのはチューニングに欠かせ ない物なんですが、今は使う人もいないですよね。『音叉』というタイトルは、ネットの無 い時代は、友達でも恋人でも今ほど簡単につながれないからこそ会っている時間が濃かっ た。アナログを象徴するアイテムとしてつけました」と説明。
また、「小説に点数をつける と?」との問いには、
「自分では点数ってつけられないですよね。曲の場合はメンバーが『い いね』と言ってくれることが評価なので、今回もふたりが読んでくれてからですね(笑)」
と答えた。
『音叉』は、バンドとしてプロデビューをめざす若者の 恋と葛藤をえがいた青春小説。
学生運動、フォーク、ロ ック喫茶など、若者文化が花開いた 70 年代を舞台として いる。
7 月 13 日に発売となり、累計発行部数は 2 刷 3 万 2000 部。発売後すぐに大手書店の紀伊國屋書店小説部門第 1 位(7 月第 2 週)、三省堂書店文学・ノンフィクション部 門第 1 位(7 月 9 日~7 月 15 日)となるなど、全国の各 書店でベストセラーとなっている。
そのほかに、山野楽器と文藝春秋の直販のみで予約を 受付けた『音叉 愛蔵版』(定価:本体7200円+税)限定 3000 部があり、こちらは完売。
あらすじ
舞台は学生運動の火も消えようとしていた 1973 年。私立の聖マリアンヌ学院大学に通う 風間雅彦は、高校生の頃から同級生とバンドを組みギターを弾いていた。メンバーはドラム の古澤啓太、キーボードの神林義之、ベースの佐伯美津夫。彼らのバンド『グッド・スメル』 はアマチュアコンテストでの準優勝がきっかけでプロデビューを持ちかけられていたが、 レコード会社からデビューの条件としてあることを言い渡される。やりきれない気持ちを 抱えたまま、夜の原宿に足を向けた雅彦。そこで彼は、忘れられなかったある人物と再会す る......。メンバーを襲う思いがけない悲劇、魅力的な女性たちとの恋愛関係など、大人への 岐路に立つ若者たちの青春群像劇。
『音叉』文藝春秋刊
著者:髙見澤俊彦
定価:本体 1,700 円+税 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163908632