獰猛な左ボディフック一発で相手を悶絶させ、MMAプロデビュー戦で初勝利を飾った宇佐美 正 パトリックが、早くも2戦目に挑む。
その舞台は、5年ぶりに復活するビッグイベント「VTJ2021」となった。
VTJは「日本VS世界」をテーマに、数々の激闘を生み出してきた伝説的な格闘技大会。今回はコロナの影響で外国人選手の参加は限定的となってしまったが、参加する日本人選手はみな世界を見据えており、この大会をジャンプボードに日本格闘技界が改めて世界へ挑むという意義のあるカードが揃えられた。
宇佐美は、この注目度の高い「VTJ2021」の第一試合にエントリー。まさに起爆剤としての役割を期待されており、勝敗だけでなくそのパフォーマンスも問われることとなる。
対戦相手の野村駿太は、レスリング・ヘラクレス宮田和幸が率いるBRAVE所属ながらも、伝統派空手をベースにした打撃を得意としている期待のホープ。
高校時代にボクシング6冠を達成している宇佐美とは空手VSボクシングの打撃対決が期待されるが、LDH所属を懸けたオーディション「FIGHTET BATTLE AUDITION」に参加して見事に合格を果たし、現在はLDH martial arts代表取締役の高谷裕之、取締役の岡見勇信らがトレーナーを務めるEXFIGHTで総合格闘家としての実力を磨いている宇佐美にとっては、MMAの総合力や進化も見せつけたいところだ。
客席には、宇佐美を「FIGHTER BATTLE AUDITION」時代から見守り続けてきた白濱亜嵐(EXILE/GENERATIONS)と小野塚勇人(劇団EXILE)の姿も見られるなか、試合開始のホーンが鳴った。
立ち上がり、スタンドの打撃で探りあう展開。野村が出入りの速い変則的ステップから素早いパンチを放つと宇佐美は被弾、早くも左目のあたりから出血がみられる。宇佐美は組んで野村をケージに詰め、パンチ、膝蹴りで追撃。野村は組み投げようとするが宇佐美が踏ん張り、スタンドの打撃戦が続く。
そこで宇佐美が踏み込んで獰猛な左ボディ! さらに追い打ちの左ボディからのラッシュで野村の動きが止まる。宇佐美は野村を引き倒して追撃のパウンドからのテイクダウンに成功。上になるが寝技に行かずにスタンドに戻り、前蹴りで突き放して不敵な笑みを浮かべたところで1R終了。
第2ラウンド。打撃のダメージとラッシュでお互いにスタミナを消耗するなか、首相撲からの膝蹴り合戦でさらに削りあう展開に。野村は息が上がりながらもフルスイングの打撃を放ち、宇佐美は首を抱えられた状態からボディ、アッパーとボクシング仕込みのテクニカルなパンチを繰り出す。
お互いのパンチが飛び交うなか、カウンターを喰らいつつ宇佐美が放った獰猛フックが野村のテンプルにヒット! 野村はダウンするもすぐに立ち上がり、猛ラッシュ。最後まで激しい打撃の攻防が続くなかタイムアップ。
勝負は判定となり、3−0で宇佐美正パトリックの判定勝利となった。
マイクを持った宇佐美は「泥臭い試合をしてすみませんでした」と頭を下げ、「次までに修正して豪快なKOが出来るように頑張るんで、これからもよろしくお願いします」とコメントした。
宇佐美自身は納得いかない試合内容だったようだが、火花の散るような打撃戦で会場を大い盛り上げ、VTJの名に恥じない熱い勝負を展開。これからの進化と未来を感じさせるプロ2勝目となった。
なお、観戦した白濱亜嵐と小野塚勇人からは、以下のコメントが届いている。
■白濱亜嵐コメント
本日プロ二戦目となるLDH所属格闘家パトリックの勝利をリングの目の前で見させてもらいました。LDHという大看板を背負ってリングに上がるパトリックの背中はとてもカッコよく一人の男として尊敬出来るほど頼もしかったです!
そしてしっかりと勝利を飾ってくれて嬉しかったです。これからも彼の活躍への期待とLDHの格闘技への取り組みに微力ながら力添えしていきたいと思います。
■小野塚勇人コメント
まずはパトリック君プロ2戦目でVTJという大きな舞台での1試合目という事で、かなりプレッシャーや期待の声などあったと思います。そこで潰れることなくしっかり勝ち切れた事に改めて凄いなと思いました。
試合してるパトリック君を見てるとまさに猛獣という言葉が当てはまるかなと思います。本能剥き出しで戦う姿に見てるこちら側も血が騒ぐ感じがして凄く魅力のある選手だなと思いました。
しっかり休んでください! 皆様、今後も宇佐美正パトリックの試合での活躍に期待していてください! 僕もファンとしてこれからが更に楽しみです!