株式会社LDH JAPANが社会貢献活動のひとつとして2010年よりスタートした小学校4年生から6年生を対象としたフットサルの全国大会「EXILE CUP」。折りからのコロナ禍で長らく開催を見合わせていた同大会が4年ぶりに復活した。実に11回目となる今年の予選大会は全国9地区10会場で行われ、445チーム、3729名の子どもたちが参加。予選大会を勝ち抜いた10チームによる決勝大会が9月17日、愛媛県の今治里山スタジアムで開催され、LDH JAPANからラモス瑠偉、橘ケンチ(EXILE)、EXILE TETSUYA、RIKU(THE RAMPAGE)、龍(THE RAMPAGE)が応援に駆けつけた。
「EXILE CUP 2023」(※提供写真) 画像 2/5
これまで会場となっていた「ありがとうサービス.夢スタジアム」の近くに今年1月新設された約5000人収容の天然芝スタジアム「今治里山スタジアム」(大会の前日にはFC今治とAC長野パルセイロのJ3公式戦が開催されたほど本格的なスタジアム)に会場を移すなど、よりスケールアップした形で開催された今回の決勝大会。「この大会に参加した小学生たちの中から、いつか日本代表選手が生まれることを願っています」という本大会の大会アドバイザーであり、FC今治のオーナーでもあるサッカー元日本代表監督・岡田武史氏らの開会のあいさつのあと、EXILE TETSUYA監修のもと日本サッカー協会が開発した「クラッキ!ダンス」を全員で踊って身体をほぐし、いよいよ5チームごとに分かれて総当たりで勝敗を競う予選リーグがスタートする。
広いピッチに設けられた4つのコートで同時進行する予選リーグは、6分ハーフ休憩2分の計12分で行われる。Aブロックでは、3勝1分けの無敗で終えた福山ローザス・セレソン(広島県/中国地区代表)と、KEI.FC(北海道/北海道地区代表)に1敗を喫するも2試合目で10‐1という脅威の得点力を発揮し、2勝1敗1分けでリーグを終えたMFC.VOICE(愛知県/東海地区代表)の2チームが決勝トーナメントに進出。Bブロックでは、本大会の優勝経験もある注目チーム、EDC(大阪府/関西地区代表)が3勝1敗で首位通過、2勝2分けで無敗の長野アンビシャスFC BLUE(長野県/北信越地区代表)が2位通過を決めた。
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昼休憩を挟んだ午後からは、予選を勝ち抜いた4チームによる、7分ハーフ2分休憩の計14分の決勝トーナメントがスタートする。それぞれ、福山ローザス・セレソン(Aブロック1位)とMFC.VOICE(Aブロック2位)を打ち破って決勝戦に進出したのは、長野アンビシャスFC BLUE(Bブロック2位)とEDC(Bブロック1位)の2チームだ。ちなみに、EDCが予選リーグで唯一敗戦を喫したのが長野アンビシャスFC BLUEという因縁の対決でもある。3位決定戦がMFC.VOICEの勝利に終わったあと、スタンドに詰め掛けた観客の注目がいっせいに集まる中で行われた決勝戦。それは奇しくも、本大会でも随一の手に汗握る名勝負となった。
両者の実力が拮抗した前半を終えた後半、フォワード2人の見事な連携からEDCが先制するもすぐさま長野が追いつき、ゲームは3分一本の延長戦に突入する。短い時間の中で両チームとも得点を取り合うなど、それでも勝敗のつかないまま勝負の行方はPK戦へ。しかし規定の3人が蹴り終えたあとも同点のまま、サドンデスに突入。結果、両者全力を尽くした勝負の軍配は、長野アンビシャスFC BLUEに上げられることになった。
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その後ピッチでは、ラモス瑠偉、THE RAMPAGEのRIKUと龍が参加するフレンドリーマッチが開催。岡田武史監督率いる「TEAM OKADA」と、本大会に参加した10チームからそれぞれ1名と優勝・準優勝チームのゴールキーパー1名が選出された小学生チームの対戦だ。ラモスを司令塔に、FC今治のコーチングスタッフや、元アトランタ五輪日本代表で、現在はEDCの監督も務めている廣長優志ら、実力派が顔をそろえる「TEAM OKADA」。しかし、そこでひときわ躍動したのは、午前中よりピッチで入念なアップを行う姿が目撃されるなど、この試合に並々ならぬ意気込みをみせていたTHE RAMPAGEのRIKUと龍だった。
とりわけ、高校2年までプロを目指して14年間サッカーに打ち込んでいたRIKUの切れ味は抜群で、いきなり2得点を決めるなど小学生たちを圧倒する。対する小学生選抜も負けじとゴールをゲット。それでも攻撃の手を緩めない「TEAM OKADA」の様子を見かねた岡田監督の許可のもと、ピッチの中の小学生がひとり、またひとり増え、本来は5人のところ、気がつけば小学生12人全員がピッチに投入されるなど、要所要所でエキシビジョンマッチならではの驚きの展開で観客を沸かせながら試合は終了した。
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フレンドリーマッチの荒ぶる様子からは打って変わって「ワンツーやスルーパスなど、試合内容が確実にレベルアップしていること感じられた」と語る閉会式のラモスの言葉通り、フットサルならではの目まぐるしく変化する状況の中で、小学生たちの華麗な連携プレーが随所に見受けられた本大会。しかしながら、それ以上に印象的だったのは、フレンドリーマッチに象徴されるような、ひとつのボールを一心に追い続ける、純粋な「楽しさ」だった。同じく閉会式で岡田氏が語った「勝ち負けはあるけれど、勝つために全力を尽くすことがいちばん大事」という言葉の通り、勝敗だけではない、子どもたちにとっての豊かな「体験」を提供する機会としての「EXILE CUP」。それを今治里山スタジアムという抜群の環境の中で行うこと。「Dreams For Children・子どもたちに、夢を。」という本大会のコンセプトを改めて感じると同時に、継続して行うことの大事さ、そして大会の今後に大いに期待ができるような、そんな充実した一日だった。
■「EXILE CUP 2023」決勝大会 結果
優勝:長野アンビシャスFC BULE(長野県)
準優勝:EDC(大阪府)
3位:MFC.VOICE(愛知県)