BSテレ東では1月30日(土)夜9時から、土曜ドラマ9「ナイルパーチの女子会」を放送する。
原作は、「第28回山本周五郎賞」、「第3回高校生直木賞」を受賞した柚木麻子による同名小説。
主演を務めるのは、第12回TAMA映画賞で最優秀女優賞、第45回報知映画賞と第42回ヨコハマ映画祭で主演女優賞など、昨年の映画賞を次々と受賞している水川あさみ。大手総合商社に勤め男性と肩を並べて活躍し、一見、順風満帆な人生を送っているように見えて、実は女友達がいないという唯一にして最大のコンプレックスを抱える主人公の志村栄利子を演じる。
そして、栄利子が心酔しているSNS日記「おひょうのダメ奥さん日記」の作者・丸尾翔子を演じるのは、話題のドラマや映画に多数出演している実力派女優・山田真歩。
16日、水川あさみと山田真歩によるオンライン記者会見が行われた。
その模様をダイジェストでお届けする。
Q. それぞれ役どころと一言ご挨拶をお願いします。
■水川あさみ(志村栄利子 役)
仕事はバリバリできて、キャリアウーマンではあるんですけど、友達がいないということが唯一の悩みです。
自分が求めるままの理想の友達を探し求めて、ある日、出会ってしまうという。なかなか共感しづらいようなすごく変わった女性です(笑)
■山田真歩(丸尾翔子 役)
女友達がいないというのは栄利子と同じなんですけど、栄利子とは対極です。栄利子が硬質なダイヤモンドだとしたら、翔子のほうは柔らかい、なんか水みたいな感じです。職業も栄利子はキャリアウーマンで、翔子は旦那さんの給料でのほほんと生きているんですけど、翔子なりにいろいろ悩みとかもありつつ、ブログを書いているっていうのが趣味で、毎日を過ごしているっていう女性です。
Q. 「ナイルパーチの女子会」はどんな話ですか?みどころを教えてください。
水川:1話から8話まである意味でスピード感がある、その感情の変化と心情の変化と、環境もみんなが変わるので、それを水槽にいるナイルパーチがグワーッと大きく泳ぐみたいに駆け抜けるようにストーリーが進んでいくっていう感じです。目で見ていても、きっと、ストーリーを追うだけでも楽しめると思うんです。内容的には明るいお話では決してないかもしれないので、ぐっと苦しくなるというか、しんどくなるというか…。でも、自分の心の奥底にあるような、心情って普段、向き合おうとしても、なかなか、向き合わないから、そういうものに触れるきっかけになればいいなと思うし、他人目線ではない、自分目線で物事を判断していく素晴らしさというものを、このドラマで見つけてもらえたらいいなと思います。そういうメッセージ性ももちろんありますし、映像がとにかく美しいですね。真歩さんも素晴らしいですし、全部、見てほしいです(笑)
山田:心理劇というか密室でどんどん二人の関係が変わっていくので、本当に鏡のように二人が呼応しているから、相手の演技が良かったら、自分もどんどんノッてきて、面白くなります。1話は二人の関係性を描いているんですけど、全然違う環境で育った二人が普通に暮らしていたら会わないような、すれ違わないような二人が出会ってしまって。そこから、ズレとか、違いとか、共通点とかを二人が不器用に見つけていったり、離れたり、くっついたりしていくので、全然違う他者という存在と出会った時に、どうふたりが変わっていくかというところを見てほしいなと思います。
Q.今私は受験生でここで頑張らなきゃいけない!!という場面が多くあります。
お二人がここ一番!!というときにやるルーティンなどはありますか?
山田:私はここ一番ってなると、肩に力が入っちゃうから太極拳をするんです。頑張らなきゃって思って力がはいるといいことないんですよ。なんかそれを感じて、あ、リラックスしている人が一番最強だっていうのに20代後半で気付いた時があって。それから深呼吸とか、ストレッチしたりして「まぁ、なるようになるよ」みたいな自由な気持ちになった時に一番自分の持っているものをのびのび発揮できる気がするんです。
でも受験ってどうなんだろうね。
水川:リラックスすることが大事ってことでしょ?
山田:そうそう、なんでもいいんだよ。深呼吸すればいいんだから。で、大丈夫って思っていれば、やった分だけは出てくるじゃん。セリフもさ。なんかあせっちゃうとさ、出てこない。
水川:どんどん出てこなくなって、緊張してこわばるから。
山田:そうそう、悪のループに入る。リラックスして、「もうやることやった」って思えば、後は野となれ山となれ。
水川:私も真歩さんが現場で太極拳をしているのを何度も目撃しているんですけど。すごくいいなと思って。気持ち良さそうだし。呼吸もしっかり中に入るし、私も習おうと思って。太極拳は出来ないけど深呼吸するとか、あとイメージしますね。すごく大切なシーンだったり難しいシーンの前の日って、イメージトレーニングをするとできるっていうことに一番近づくから、それがたぶん大事な気がします。
Q. コロナ禍で作品を作られてみて、その苦労と今後もコロナ禍の中で映画やドラマ、舞台制作に俳優としてどう取り組むべきか、ヒントはありましたか?
水川:正直別にそこまでの大変さは感じなかったです。みなさん、気を付けて対策してらしたので私たちはお芝居をする上で、どういう状況下であれ、それがコロナに限らず自分たちが、そこに立ってお芝居するという意義だったり、覚悟っていうものはある意味持ってなきゃいけない気がするんです。でも、お芝居をすること自体がある意味覚悟を持ってやることと同じことなのかなという風には感じます。
山田:ちょっと思ったのは、ドラマの中ではキャストも少ないし最小限のスタッフとキャストで、大所帯じゃないんだけど、みんなのそれぞれの職人みたいな人が集まってきて、あ、できるんだって。一人一人のアイデアが活かされ、少人数だからこそ、たくさん集まれない分、みんなでアイデアを出し合ってひとつのものを作れるんだっていうのは感じましたね。
この作品だからなのかもしれないけど。でも触れ合うということがなかなかできないっていうのが一番コロナの時に思いました。
今まで何にも考えないでやってきたことを、もう1回考え直すっていうことはできた気がします。まだ答えは見つかっていないですけど。