テレビ東京系列のドラマ「95(キュウゴー )」(テレ東系毎週月曜よる11時6分放送中)に出演している元モーニング娘。で俳優の工藤遥がWWSチャンネルの単独インタビューに応じた。
工藤は、これまでのタレントとしての経歴から今回のドラマでのコギャルを演じたこと、今後挑戦していきたいことなど語った。
工藤遥インタビュー:
Q:自己紹介とこれまでの経歴について教えてください。
工藤遥:俳優の工藤遥です。最初を辿ると「父親の親バカ」から始まったような気がします。自分の娘が幼少期に周りに「かわいい」と言われるのを真に受けて「どこまでこの子が世の中に通用するのか?」みたいなことを漠然と思っていたらしく。本人の口から「やりたい」と言い出すのを待っていたらしく。私が小学校3年生の時に「テレビに出たい」「歌手になりたい」と言った時に「よし来た!」と事務所のオーディションを受けたのがきっかけです。当時は歌手やアイドル、タレントになりたかったのではなくて、単純にテレビに出られたらいいと、そういう入口でした。今こうして、やりたかったこと、憧れていたものに触れることができているのは本当にありがたいですけど、実は「これになりたい!」という強い願望があって芸能界入りしたわけではありませんでした。
Q:アイドルを経験して、現在は女優として活躍されていますよね。
工藤遥:オーディションに合格した事務所がそれこそアイドル事務所だったので。やはり周りの環境もあって、自分もそういう心持ちになりました。その活動をしている中で、新たに見つけた「おもしろい!」と思えたのものが、お芝居。芝居をしたい、芝居が好きという気持ちは、そこから一貫して変わらないのです。
Q:お芝居をされる中で、憧れの女優はいますか?
工藤遥:衝撃を受けたのが、私が小学3年生ぐらいの時に見ていた「ラスト・フレンズ」というドラマ。当時、小学校のクラスで流行っていて。その時に長澤まさみさんが演じていたのがDVを受けている女性役、上野樹里さんが大型バイクを乗りまわす短髪の同性愛者ライダーで、めちゃくちゃかっこいい女性を演じていて。それを見た時、女優さんと認識するのではなく「この人だ!」と思って認識していたんです。役のままを認識していたから、それこそ「のだめカンタービレ」や別の作品でお見かけした時に、まるで人が変わったような……同じ顔だけど全然違う雰囲気を纏っていて。それが子供ながらにうまく理解ができず衝撃でした。それから過去の作品を見返したりして。時代の流れと、ご本人の年齢や成長に合わせて役や芝居を変えながら長く活動されている方々だから、こうやって続けられるのが1番理想の形だなと思っています。
そして憧れだと子供の頃から歌が好きで、初めて買ってもらったCDが「きらりん☆レボリューション」。アニメが流行っていたので月島きらりちゃんのCDを買ってもらったことを覚えています。中古でレンタルするとか、ビデオ屋さんも古くなると200円とか安く買えるんですよね。それでCDを買ってもらったのが、記憶にある限り最初の音楽です。小さい頃からカラオケに行く習慣はありませんでしたけど、子供の頃から歌うのは好きでしたね。父親が週末の朝から掃除しながらMDプレイヤーで曲を流しているような人だったので。車のオーディオも充実していたので、それで覚えた曲はあります。25歳ですけど、年齢の割に好きな曲のジャンルは幅があるかなと思います。
Q:幅広い楽曲を好まれているとのことですが、出演されるドラマ「95」(テレ東系毎週月曜よる11時6分放送中)の舞台となる90年代の印象はどうでしょうか?
工藤遥:90年代は、やはりいい音楽が多いといろんな方が仰っていますよね。バブルがはじける前後ぐらいの話を両親から聞いたり、もう就職や就活がうるおって仕方なかったという話を聞いたりしました。私の母親は金融系の会社に勤めていた時、新卒で総務部だったらしく。取引先のおじさまたちに可愛がってもらい、高級な食事に行ったとか……。現代では格差をなくそう、性別も年齢も関係なくみんなが平等にという世の中になるのもとても素敵ですけど。以前はSNSもなくて誰とでも簡単に繋がることができる時代ではなかったけど、すごくみんな楽しそうに話すから羨ましいですね。一瞬でも行ってみたかった時代です。
Q:90年代の当時、何歳ぐらいでしたか?
工藤遥:私は1999年生まれなので「95」の1995年は生まれていなく、正直当時のことは分からないんです。
Q:自分が生まれてない世界を演じるということで、役柄も「コギャル」。どういう気持ちで演じましたか?
工藤遥:私がこれまで演じた役は、ギャルやヤンキーなどの役も多いので、不安感はありませんでした。だけどちょっと傷んだ役というか。「ギャルっぽい役」と言われますけど、95年だからわかりやすく「コギャル」の名称があって。「コギャル役です」と聞いた時に「コギャルって塩梅が難しいなあ」という悩みはありました。どうやったら「(こういうコギャルが)いるいる!」って当時を知っている方々に思ってもらえるかの役作りは難しかったです。
Q:制服を着ている「コギャル」の自分自身を見ていかがですか?
工藤遥:すごく「いる」というか。SNSで感想を見ても「っぽい!」と言ってくれる人がいるので良かったなと思います。高校生の役ですけど、当時はみんなタバコ吸っていたと
聞いて、役で医療用のタバコを吸うとか。あとはキレイに見せよう、女性として可愛く映ろうという意識よりも、言い方が難しいのですが、女性として男性より1歩下がるスタンスではなく、対等に遊んだり、張り合ったり、声を上げたりして、今よりもっと強い女性像で撮影には挑みました。それが画面に映っていてよかったなと思います。
Q:アイドルという活動はギャルと正反対ですが、ギャルに対して憧れはありましたか?
工藤遥:ギャルの友達もいます。私は控えめなタイプでも、大人しい女の子らしいタイプでもないので。服装とか見た目に関しては正反対でも、マインドはギャルとすごく近いものがあるというか。だから、演じていても気にならなかったです。
━いろいろな意味で、ギャルはなくならない文化でもありますね。
工藤遥:なくなってほしくないですね。あれぐらいパワーのある人たちが、世の中を回しているというか。「ギャル」というアイコンが在り続ける限り、女性の成長過程で迷うことがないなって思います。
Q:ギャルの印象についてどうですか?
工藤遥:ずっと永遠にギャルの人もいるだろうし、ギャルの判断基準は人によって曖昧。メイクが濃くて髪が派手だから「ギャル」という人もいるだろうし、気持ち的にギャルと同じようなマインドで生きている人たちを見たら、見た目は全然ギャルじゃない人もいるだろうし。ギャルという言葉、今はポジティブに前向きなワードとして発信されていると思います。
Q:例えば、成功しているギャルの有名人といえば「みちょぱ」などいますが、憧れたりしますか?
工藤遥:かっこいいですよね。世の中でどんなファッションが流行ろうと、色白ブームが起きようと、みちょぱさんは「黒ギャル」を貫いていたりするわけじゃないですか。自分の好きなものを大声で好きだと言えて、それこそテレビとか大衆の場で表現できるのは、強い意識とこだわりがないとできないから。それってすごいことだし、かっこよく映っています。
Q:ドラマ「95」に出演したことで、吸収できたこと成長したことはありますか?
工藤遥:「95」という作品に集まった同世代の役者さんたちが、本当に力強い方ばかりで。主演の髙橋海人さんはじめ、中川大志さん、松本穂香さん……皆さん映画やドラマなどお芝居の世界で真ん中に立っている方々だから、皆さんを見ると自分の力量の無さを感じることもありました。逆に負けないよう食いついていかなきゃ!とも思いますね。その一方で、皆さんの技術が高い分、自分がどんな球を打っても打ち返してくれる安心感もあったので、その中でお芝居ができる環境がすごくありがたいです。「95」が終わった後も、また違った形で皆さんと必ず会えるよう、自分もレベルアップしていこうと思いました。
Q:同じコギャルを演じる浅川梨奈さんとは、どういう役柄の関係ですか?
工藤遥:浅川さんとは同級生のクラスメイトで同じギャル仲間。いつも一緒にいるニコイチみたいな存在の役柄です。
Q:浅川さんの印象はどうですか?
工藤遥:梨奈ちゃんは、高校の同級生で歳も一緒。前から知っていたので、いざ会って、より密に会話する時間が増えました。私も喋ることが大好きだし、よく喋るねと言われる方ですけど、私よりもいっぱい喋る人だから2人でいるとお喋り止まらなくて。その感じがより仲良しギャル度を深めていったと思いましたね。
Q:高校の同級生だったということは世間的に知られていることですか?
工藤遥:今回、初めて公言しました。「2コ1の役です」となった時に浅川さんですと聞いて。高校ぶりじゃん!って。
Q:高校の時以外は接点がなかったということですか?
工藤遥:学校は一緒でしたけど、卒業してから会える機会がありませんでした。それにお互い当時から仕事をしていたので。学校で会うことも少なく、少し顔を合わせることがあるくらい。同級生といっても当時めちゃくちゃ仲良しだったというわけではなく。でも今回の作品をきっかけに、ノリとテンションがめちゃくちゃ合う方だなと思いました。
Q:高校以来ということは7、8年ぶりですね。
工藤遥:高校生の時に会って、今回一緒に高校生役を演じるからブランクがないというか。その間の時間がないまま、お互いの印象がちょっと大人になったね、みたいな感じで演じられるのが不思議な感覚で面白かったです。嬉しい再会ですね。
Q:ドラマの撮影中も盛り上がりましたか?
工藤遥:撮影が始まる前の衣装合わせを浅川さんと2人で一緒にやって「何年ぶりだね」みたいな話で盛り上がっていました。
Q:95のストーリーは学園ものですか?
工藤遥:高校生の男の子5人が主にメインのお話で、登場する人たちは基本的に高校生ばかりだけど、「学園もの」というより、青春群像劇ですかね。1999年に世界が終わるというノストラダムスの大予言が学生たちに広まって話題になっていた時期、本当に世界が終わっちゃうなら、それまで自分たちの正義を貫いて楽しく駆け抜けよう!みたいな。1995年前後の雰囲気を懐かしく感じていただける作品じゃないかと思います。
Q:95というドラマの中で、スピッツの「ロビンソン」など当時の名曲が登場しますが、好きな曲はありますか?
工藤遥:90年代の曲は好きです。スピッツの「ロビンソン」は、ずっと聞いていました。この間も劇中で広瀬香美さんの「ロマンスの神様」を歌ったり、「世界が終るまでは…」が流れていたり、その辺の曲は触れてきたから……95で役作りの一環としてより聞くようになりましたけど、それ以前から聞いていたので。生まれていないのに「うわ懐かしい!」って気持ちになります。
Q:そう思うのは、やはり家族が聞いていたからでしょうか?
工藤遥:ほぼ親の英才教育みたいなものですね。BOØWYとtrf(現:TRF)がずっと流れている家だったので。父がBOØWY好き、 母はtrfが好き。もっと前で言うとSTARDUST REVUEが好きとか。親の影響を受けてきたから、逆に最近の曲とか、自分が1番音楽を聞いていたであろう2010年以降の曲が遠いかもしれないです。
Q:今ハマっているファッションや今後チャレンジしていきたいことはありますか?
工藤遥:ファッションは、変わらず古着がずっと好きで。古着屋さんを転々として、宝探しみたいに物を漁っている時間が好きです。結局ずっと古着かな。最近は年齢的にも、周りにいる人たちの装いが大人っぽくなったり、色味が落ち着いてきたりするから、少し影響されて古着×Tシャツというより、シア素材のトップスなど、素材でミックスするファッションが好きです。下北沢にも行きますし、高円寺も行くし。お仕事で地方に行った時、空き時間とか休みがあれば古着屋さんに行きます。
以前、福岡でロケがあって、ずっと博多にいた時は、古着屋さんをたくさん回りました。なかなか来られるエリアじゃないから高くても買ってしまいます。1着しかないし、古着は出会いだと思っているから。ずっと欲しかった色も形もドンピシャなジーパンを見つけた時、もうこれは買うしかないと。でもやはりお値段が可愛くなくて、すごく悩んで試着して「もうちょっと考えます!」とお店の人に伝え……、ラーメンを食べて冷静になったところで、ラーメン屋さんで買う決意をして買ったみたいな。そういうことがあるぐらい、地方での古着との出会いはお財布の紐が緩くなりがちですね。
Q:現在は、女優活動がメインとのことですが、モデルなどの仕事には興味はありますか?
工藤遥:ファッションショーのステージにも憧れがあります。やりたいと言っていますけど、なかなか叶わないですね。私は背も普通で標準ですが、いつか経験してみたいです。
Q:埼玉が地元とお聞きしていますが、埼玉の「おすすめ」はありますか?
工藤遥:おすすめというか、圧倒的に住みやすいです。東京へのアクセスも抜群にいいし、大きい公園がいっぱいあります。よくよく考えてみると、水上公園と名のつく市民プールが一緒になっているとか、そういう公園が多いかなと東京に出てきて思いました。
Q:芸能活動はもう長いですよね?
工藤遥:そうですね。10年以上です。スタートが本当に早かったです(笑)
Q:20代から30代へと進んでいくわけですが、挑戦してみたいことはありますか?
工藤遥:あと数年で30歳ですか。あまり年齢は意識していないので、変わらずにいたいですね。「何歳だから」と言われるのもあまり好きじゃないし、そんな風に考えず楽しみたいです。昔は30代と聞くと大人すぎてどうしようと思っていましたけど、 実際に出会う30代の人生の先輩や俳優さん方が本当に楽しそうで。30代が楽しみです。
Q:「95」の撮影が終わって、次の作品などオファーが来るなら、どんな役を演じてみたいですか?
工藤遥:控えめというか、言い方が難しいですけど言葉数の少ない役とか、深い傷を負っていそうな役をやりたいです。ちょっとダークな世界観は挑戦してみたいです。
Q:表情だけで見せるようなMVなどは興味ありますか?
工藤遥:あります。過去に一度出演させていただいたんですが、ドラマや映画でのお芝居と求められることが違って、難しさを感じながらも楽しみました。。それこそバンドのMVとか。音楽が好きだからまた参加してみたいです。
Q:今回はドラマの舞台となる90年の話が中心でしたが、MVに出演したいバンドなどありますか?
工藤遥:最近だと、埼玉県の 鳩ヶ谷という地域出身の「Fish and Lips」という男子高校生のスリーピースバンドをSNSで見つけまして。5つ下の弟が大学1年生で、歳がすごく近くて。弟も友達とバンドをやっているとか、自分の環境も相まって、その子たちが作る思春期でしか絶対にできない音楽というか、なんだか親みたいな気持ちになってしまって。青すぎる彼らの音楽が羨ましくて、泣きそうになりながら聞いています。同郷だったこともあるし、ぜひこのまま頑張ってほしい!って、親心じゃないですけど勝手ながらに思っています。
Q:埼玉だと音楽フェス「VIVA LA ROCK」が有名ですが、フェスなどは行かれますか?
工藤遥:「VIVA LA ROCK」は行ったことないので行ってみたいですね。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「COUNTDOWN JAPAN」はトライしたことがありますけど、現地でどうしたらいいか分からなくて。友達がフェスにずっと通っているので、いつか連れていってもらおうと思っています。
Q:最近だと音楽をはじめ、グルメやファッション、コスメで韓国のカルチャーが流行っていますが、お好きですか?
工藤遥:K-popは好きです。日本のアイドルと違う良さがあるというか。完成した状態で出てくる面白さとかっこよさに憧れます。それこそみんなスタイル抜群でなんでも似合う。服もメイクも素敵です。違う人生があったら、マネしていると思います。
Q:韓国メイクなど、やはり影響受けますか?
工藤遥:影響されますね。それこそライブの時、メイクさんにちょっと目元が強めのメイクがいいとか、K-popっぽい感じがいいですと伝えていました。衣装もどちらかといえば、K-pop寄りでした。
Q:今は役者をメインに活躍されていますが、シンガーのような立ち位置に挑戦したいなどはありますか?
工藤遥:歌はずっと好きだし、声を褒めていただけることが多いので、この声に生まれたからには、使えるならば「声」を有効活用したいと思う気持ちはあります。ただ私自身、いくつもワラジを履いてやっていくことが得意ではないので。シンガーの役をいただくとか、そういうきっかけから意欲的にできたらいいなと思います。
Q:最後にWWSチャンネルを見ている視聴者にメッセージをお願いします。
工藤遥:1995年を舞台に、当時のカルチャーや音楽が詰まった「95」というドラマが絶賛放送中です!当時流行っていたブランドアイテムを身に付けていたりもするので、ぜひご覧いただけると。私と同じように当時生まれてない方は、こんな時代だったと思っていただけたら嬉しいですし、当時を知る方には懐かしんでもらえたらいいなと思っています。ドラマもご覧いただきつつ、 これから先も役者としていろいろ挑戦していきますので、ぜひ応援していただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!